一般受験からはい上がった 日大鶴ケ丘・小林 雑草魂1失点完投

[ 2014年7月23日 05:30 ]

<日大鶴ケ丘・都小平>日大鶴ケ丘・小林(右)は捕手の西田とハイタッチを交わす

西東京大会準々決勝 日大鶴ケ丘7―1都小平

(7月22日 神宮)
 汗だくになった日大鶴ケ丘の小林は、入念にアイシングを施しながらベンチ裏に姿を見せた。5安打8奪三振1失点。137球を投げ抜き、チームを3年ぶりの4強に導いた。

 「行けるところまで行こうと。前半は上ずったけど、中盤から低めに制球できるようになった」

 落合二中では「武蔵府中シニア」に所属したが、目立った成績は残せなかった。「高校でも野球がやりたかったので」と、自宅に近い日大鶴ケ丘に一般受験で合格した。入学当初は野球エリートの推薦入学組との差を痛感させられた。それでも、人一倍の努力を続けてきた。冬場は全体練習後に10キロを走り込み、片足スクワット20回5セットで下半身を強化。「多い時はラーメン丼で3杯くらいご飯を食べた」と、70キロだった体重は15キロ増の85キロに、直球の最速も10キロ速くなり143キロまで伸びた。迎えた最後の夏、背番号「11」で初のベンチ入りを果たした。

 4回に3連打で1点を失ったが、5回以降は無安打で締めた。今夏3試合計24回で1失点と大黒柱の働きを見せるが「投げられてうれしい」とマウンドに立つ喜びを力に変えている。萩生田(はぎうだ)博美監督は「途中で代えようかなと思ったけど、(失点した)次の回に立ち直ったので」と最後まで託した。6年ぶりの甲子園へ、残るは2勝。エース級の活躍を見せる小林は「期待に応えられるように一生懸命頑張るだけ」と口元を引き締めた。努力で背番号「11」をつかんだ右腕は最初で最後の夏を目いっぱい楽しむ。

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