阪神・金田 球団14年ぶり1球勝利投手に

[ 2014年7月23日 05:30 ]

<神・巨>12回1死一塁、金田は井端のバントのゴロを処理して併殺に打ち取る

セ・リーグ 阪神3-2巨人

(7月22日 甲子園)
 星飛雄馬の魔球をほうふつとさせる「大リーグボール1号」で阪神・金田が球団投手としては00年8月3日の葛西稔以来、14年ぶりの「1球勝利投手」となり3勝目を挙げた。

 2―2の延長12回1死一塁から登板。打席は小技もうまい井端で一塁走者は俊足の鈴木。送りバント阻止が非常に困難な場面で、2年目右腕は“これ以上ないところ”に投げ込んだ。投球は井端の顔付近を襲い避けた際にバットにボールが当たった。力ない打球は金田の正面へ転がり1―6―3の併殺を完成させた。

 まさに「大リーグボール1号」。梶原一騎原作の野球漫画「巨人の星」で主人公の星飛雄馬が、打者が構えるバットに命中させて、凡打に仕留めることを狙うために開発した魔球。もちろん、現実の世界で、そんなボールを投げることは不可能だが、この夜のサヨナラ劇を演出するように、生じた1球だった。

 「(バントをしにくい内角高めを狙ったが)思った以上に抜けてしまいましたね…。フィールディングもしっかりとできた。走者も鈴木さんでしたし、刺せて良かった」

 阪神入団以来、ずっと赤いグラブを使っている。きっかけは球団関係者からの一言だった。「お前はもの静かに見えるんだから、グラブくらい目立つ色にしたらどうだ」。情熱や闘争心を意味する「赤」を手に、聖地のマウンドで堂々と投げきる姿も板についてきた。

 「ゲーム展開や自分の出そうな場面も分かってきた。準備もしっかりできている」。この夜で26試合目のマウンド。昨季、27試合に救援登板した松田への対抗心から、今季の目標登板数は30。それも通過点に過ぎないだろう。それだけの信頼感が、今の金田にはある。

 ▼阪神・新井良(6回2死二、三塁から代打で右前2点打)大和の代打だったので、大和の気持ちも込めて打った。

 ▼阪神・梅野(11回に二盗を阻止)練習でやってきたことを発揮できているかな。

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2014年7月23日のニュース