打球直撃!大谷が右頬骨折 球宴出場辞退の可能性も

[ 2013年7月12日 06:00 ]

試合前、外野でダッシュを繰り返す大谷の頬に打撃練習のボールが直撃

 日本ハム・大谷翔平投手(19)が11日、楽天11回戦(Kスタ宮城)前のランニング中に、フリー打撃の打球を顔面に受けて、仙台市内の病院へ直行した。CTスキャン(コンピューター断層撮影)による検査の結果、「右頬骨(きょうこつ)不全骨折」で3日間の安静が必要と診断された。この日は栗山英樹監督(52)が19日のオールスター第1戦(札幌ドーム)の投手起用を明言したが、今後の回復次第では球宴出場を辞退する可能性も出てきた。

 午後4時50分。プロ初本塁打から一夜明けた大谷にアクシデントが起こった。ブルペン投球、フリー打撃後に外野でランニング。インターバルで歩行中だったところに二岡のフリー打撃の飛球が右頬に直撃した。トレーナー陣が急ぎで駆け寄る。右頬を押さえて顔をゆがめた大谷は帽子をかぶってはいなかった。

 自分で歩きベンチ裏に戻り、アイシング治療を受けたが、痛みは引かない。石黒好光トレーナーに付き添われ、「ズキズキします」と言い残して仙台市内の病院へ向かった。診察結果は「右頬骨不全骨折」で、3日間の安静が必要となった。打球から目を離していたことについて、大谷は球団関係者に「ファンに呼ばれた感じがあった」と話し、食事に関しては「大丈夫そうです」とトレーナーに報告したという。

 6番・DHで出場予定だったこの試合を欠場。病院からは球場に戻らず、宿舎で静養した。今後もチームに同行するが、全て白紙となった。試合後の栗山監督も「数日様子を見ないと何も決まらない」と語った。野手だけであれば、フェースガード着用で強行出場も可能だが、二刀流ルーキーには投手調整もある。石黒トレーナーも「ひびが入っている。野手は痛みと腫れが引けば上げていけるが、投手は段階を踏まないと」とした。

 予定していた15日の西武戦(札幌ドーム)先発は消滅。現時点の出場選手登録抹消を否定した上で、栗山監督は「翔平の将来の方が大事。3日たってみて、球宴を辞退することになるかもしれない」とも言った。骨が完全にくっつく「完治」までは3~4週間。球宴までは8日しかない。

 打球直撃の1時間前、指揮官は大谷の球宴起用方法を明かしていた。「ファンの方から“投げるところを見たい”という声も多いし、1イニング、翔平を投げさせようと思う。札幌になる」。そして野手出場についても否定はしなかった。中継ぎ登板から野手へ――。さらに、翌20日の第2戦(神宮)では野手として、藤浪(阪神)との対決も見込まれていた。そのプランは難しくなった。

 栗山監督は「ファンに謝って済む問題ではない。4分の3は当たるような練習システムをしている俺の責任、4分の1はボールを見ていなかった翔平の責任」と表情を曇らせた。大谷は「一流の方ばかり。いろいろなことを吸収したい」と球宴を心待ちにしていた。あまりにも痛すぎるケガとなった。

 ▽不全骨折 何らかの理由で骨が連続性を完全に失わない状態の骨折。骨にひびが入っている亀裂骨折や、亀裂骨折で完全離断している部分があっても骨を覆う骨膜に損傷がなく外形的には変化が見られない骨膜下骨折などがある。不全骨折とは対照的に、骨が完全に連続性を失っている状態を完全骨折という。

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2013年7月12日のニュース