相洋 初戦の桐光戦へ 松井の写真見て“友達作戦”

[ 2013年7月12日 06:00 ]

3回無失点で勝利に導いた相洋のエース・平野

神奈川大会1回戦 相洋6―3中央農

(7月11日 小田原)
 第95回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は11日、17大会で170試合が行われた。神奈川大会では相洋が中央農に快勝。14日の2回戦で甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した松井裕樹投手(3年)擁する桐光学園と対戦し昨夏のリベンジを狙う。青森大会では昨夏の甲子園で準優勝し、光星学院から今年校名を変更した八戸学院光星は初戦で5回コールド発進。阪神・北條史也内野手(18)の弟・裕之内野手(2年)は3安打の活躍を見せた。12日は25大会で211試合が行われる。

 あの夏の悔しさを決して忘れない。エース平野は3点リードの9回を3人で片付け、納得顔で整列に加わった。桐光学園・松井へのリベンジ。その挑戦権を手にした。

 「向こうは全国制覇を狙っている。こっちは決勝くらいの気持ちでいくのでやりやすい」 
 桐光学園戦に備えて先発はしなかった。3―3の7回から登板。3回を無安打で勝利に貢献し、14日の2回戦で昨年の雪辱を果たす機会が訪れた。昨夏は4回戦で対戦。序盤は3―0とリードしたが、3回から救援した松井に9三振を食らい、逆転負けした。平野は唯一の安打となる左前適時打を放ったが、敗戦投手になった。「カーブ、スライダーを練習してきた」と投げ合いに挑む。

 高橋伸明監督は松井対策として「機動力」を掲げた。「簡単に打てるとは思わない。足を絡めて嫌がることをする。慌てさせたい」。この日も5回先頭の2番・上田がセーフティーバントを決める「予行練習」もした。 さらに6月8日の抽選会後、指揮官は「友達作戦」を打ち出した。松井が表紙を飾る雑誌を拡大コピー。部室に複数枚張り出し、ナインに語りかけた。「松井君と友達になれ。同じ高校生なんだから遠くに感じるな」。高校No・1投手を相手にしても、おじけづくなという意味だ。ナインは部室で松井の姿を見てから練習に向かい、練習後も必ず松井を目にした。

 7回に決勝の右中間適時三塁打を放った4番・奥津は日々、松井の映像を見て、研究を重ねてきた。「スライダーは打てない。直球一本に絞れば勝機は見えてくる」。リベンジの夏がきた。

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2013年7月12日のニュース