キラ 来日3戦連発!「死神」どころか救世主

[ 2013年7月12日 06:00 ]

<D・広>4回1死一、三塁キラは3ランを打ち松山(右)の出迎えを受ける

セ・リーグ 広島7-3DeNA

(7月11日 横浜)
 驚異のパワーだ。広島の新外国人キラ・カアイフエ内野手(29)が11日、DeNA戦(横浜)で来日初の4番に入り、6打点を挙げる大活躍。初回に先制打を右前へ運べば、3回には中越えへ3号2ラン、4回にも4号3ランを右翼席最上段へかっ飛ばした。助っ人のデビュー戦からの3試合連続本塁打はプロ野球史上初の快挙。救世主に導かれ、試合は7―3で快勝した。

 救世主と言っていいだろう。得点力不足解消のために緊急補強したキラが、また打った。初の4番で2連発を含む3安打6打点。「いいスタートが切れた。これが続くことを願っている」。笑顔でのインタビュー。最後は横浜の赤ヘル党に日本語で「アリガトウゴザイマス」と感謝した。

 初回から魅せた。2死二塁で、須田の初球131キロ外角低めシンカーを強く引っ張る。打球は幸運にも一塁ベースに当たって右前へ。勢いを呼ぶ先制タイムリー。「ついているよ」。気をよくした助っ人は以降、大砲ぶりを存分に発揮する。

 3回無死一塁。須田の129キロ外角シンカーを強振し、ライナーでバックスクリーンへ運ぶと、4回1死一、三塁では左腕・田中が投じた107キロの甘いカーブを、右翼最上段へ叩き込んだ。中押しの3号2ランに、2連発のダメ押し4号3ラン。キラは胸を張った。

 「第1打席はラッキーヒットだったが、第2、3打席はゾーンに入って来た甘いボールを、しっかり打つことができた」

 プロ野球史上初となる、外国人選手のデビュー3試合連続本塁打。来日3戦までに4発を放ったのは、87年ヤクルトの「赤鬼」ホーナー以来、26年ぶり3人目だ。3試合で早くも10打点。外国人枠を争うエルドレッドがここまで18打点、ルイスも9打点とモノ足りないだけに、キラの破壊力はことさら際立つ。

 集中力を高める要因はあった。この日の先発・バリントンとは、10年にロイヤルズで一緒にプレーした。「広島に来ることを喜んでくれたよ」。来日にあたり、チーム情報や住環境での助言を得たという。試合後は「バリントンに勝ちがついたのはうれしいが、マエケンでも(野村)祐輔でもやることは同じ。チームの勝利に貢献するだけさ」と苦笑したが、打席での気合は格別だった。

 「きょうはキラさまさま。1人でやってくれたね」と野村監督は絶賛。新井打撃コーチも「彼が入ったことで、他の選手も触発されている」と相乗効果を口にした。3戦で4発10打点の救世主。日本球界での活躍はまだ序章に過ぎない。

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2013年7月12日のニュース