沢村賞右腕沈めた…新井良、人生初満弾「気合で打ちました」

[ 2013年5月19日 09:11 ]

<神・ソ>1回1死満塁、新井良は左越え満塁本塁打を放つ

交流戦 阪神9-5ソフトバンク

(5月18日 甲子園)
 甲子園に吹いた強い浜風が、猛虎に3本塁打と、交流戦初勝利を運んだ。阪神は18日のソフトバンク戦で、初回から西岡剛内野手(28)の移籍1号先頭打者アーチ、さらに新井良太内野手(29)の今季4号満塁アーチが飛び出し、一挙5点。昨季沢村賞の摂津を沈めた。今季最長だった連敗は3で止まり、再び巨人追撃態勢に入った。

 強い、強い浜風に後押しされて、打球は伸びた。大歓声の中を、全力疾走で駆けていく。キョロキョロしていた新井良が、二塁を蹴ったあたりでようやく左翼席に吸い込まれたことを確認した。5月5日のヤクルト戦(甲子園)以来10試合ぶりに出た今季4号は、自身人生初というグランドスラム。元気印が、気迫で放った一撃だった。

 「最近、本当にしょっぱいバッティングばかりしていたので、気合で打ちました。風が味方をしてくれたのはもちろん、みなさんの大観衆のおかげです」

 お立ち台では、1歳年下の西岡と一緒にファンを喜ばせた。ただ、スタンドの興奮がこの日最大になったのは、やはり、満塁弾が出た瞬間だ。「みんながつないで、剛が打って、押せ押せの雰囲気で立たせてもらった。なんとかする!という気持ちだった」。西岡の先頭打者アーチに続く1死満塁。マウンドの摂津に、カウント1ボール2ストライクと追い込まれた6球目。139キロ高めの直球を豪快に叩いた。勝利への流れをガッチリつかんで離さなかった。

 突貫工事の効果が表れた。前日17日のソフトバンク戦前には、水谷チーフ打撃コーチと室内練習場で打撃練習に時間を費やした。「あおらないように、しっかり叩くということ。(和田)監督も、水谷さんも同じことを言ってくれる。そこをしっかり修正できた。最近、打席の内容がよくなかったのであの場面で打てたのは収獲」。そんな手応え十分の一発だ。

 4月6日に左太もも裏の軽い肉離れで出場選手登録から外れた。「自己管理能力の欠如だったので」。16日の再登録以降は練習の合間を見つけては、ストレッチやチューブを使ったトレーニングを欠かさない。再発防止への、徹底したケア。もう絶対にこの場を離れないという強い意識が、日々の行動に見て取れる。

 6回の鳥谷の2ランで、チーム1試合3本塁打。交流戦4戦目にして、ようやく初勝利が手に入った。3回の左前打で5試合ぶりのマルチ安打とした良太は、きょう19日からの敵地での西武、ロッテ戦へ向けて威勢良く「立川、千葉とこの勢いでいきたい」と宣言した。豪快に放たれた放物線が巻き返しへの号砲だ。

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2013年5月19日のニュース