ダル超えた 釜田高卒ルーキー史上12人目の6勝

[ 2012年8月24日 06:00 ]

<楽・ロ>6勝目をあげた釜田は笑顔でスタンドに手を振る

パ・リーグ 楽天4-3ロッテ

(8月23日 Kスタ宮城)
 ダルビッシュも届かなかった6個目の白星を手にした。65年のドラフト制導入後の高卒新人としては、07年の田中以来、史上12人目の6勝目。楽天の釜田は「序盤に直球が浮いていたから変化球を多めにした。4回以降はフォームを修正できました」と、まるで百戦錬磨のベテラン投手のようなコメントを発した。

 直球が走らなかった序盤は得意のスライダーだけでなく、左打者の外角にチェンジアップを多投。3回まで毎回得点圏に走者を背負ったが、そのピンチを緩急で切り抜け、リズムに乗った。前回16日の日本ハム戦(Kスタ宮城)に続く2試合連続完封も予感させた8回に失点を喫して降板も、高卒新人らしからぬ修正能力を披露。7回2/3で118球を投じ「8回のピンチを抑えなければいけなかった」と反省も忘れなかった。

 昨年は金沢のエースとして夏の甲子園に出場。3回戦で敗退も「北陸の超特急」として最速153キロを計時した。これで8月は3戦3勝で、防御率は1・17。再び巡ってきた真夏に、月間MVPも狙える活躍だ。「夏に負けないことはいいことだと思う。いい季節にしたい」。この日は球場に向かう前に仙台市内の寮で甲子園の決勝戦をテレビ観戦。「(大阪桐蔭の)藤浪君は上背もあって球も力強い。凄いなと思った」と同じ高卒で来年、プロの世界に飛び込んでくるであろう怪腕から刺激を受け、快投につなげた。

 チームは2連勝で借金を4に減らした。星野監督は釜田について「8回は踏ん張らないと。でも1失点だからいいか」と少しだけ表情を緩めた。残り39試合。新人王も狙える位置にいる18歳が楽天投手陣を支えている。

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2012年8月24日のニュース