北條 フルスイング真っ向勝負で散った「完敗です」

[ 2012年8月24日 06:00 ]

<大阪桐蔭・光星学院>7回表無死、藤浪(奥)の前に空振り三振に倒れた光星学院・北條

第94回全国高校野球選手権決勝 光星学院0-3大阪桐蔭

(8月23日 甲子園)
 フルスイングで豪快に散った。3点を追う9回1死一塁。大阪桐蔭・藤浪が挑んできた全球150キロ超の直球勝負に光星学院の北條も全力で応えた。3球目。外角高めの151キロを強振した打球は二飛に終わった。

 「直球狙いで直球で打ち取られた。捉えられなかったのは藤浪の凄さだと思います。完敗です」

 今春センバツの決勝では2安打2打点と打ち込んだ藤浪に、2三振を含む4打数無安打。前日の2打席連続バックスクリーン弾など準決勝まで4本塁打を放った打棒は完全に抑え込まれたが、すがすがしい表情で振り返った。

 頂は遠かった。でも、3番を打つ田村との絆があったから、頂の近くまでは来られた。大阪出身の2人は中学時代からチームメートだった。ただ当時は日本代表に選出される実力を持っていた田村に対し、北條は目立った実績はなかった。それでも光星学院への進学が決まると、大阪桐蔭からも誘われていた田村を口説き落としてともに青森へ渡った。厳しい練習に音を上げ、寮を逃げだそうとしたことも一度や二度ではないが、仲井宗基監督から「人生は自分で切り開け。坂本(巨人)も夜中の2時までバットを振っていたぞ」と言われ、田村とともに来る日も来る日もバットを振り込んだ。「中学では陰に隠れて悔しかったけど、練習して田村に追いつけた」と笑顔で話した。

 昨夏の日大三(西東京)戦に続いて、決勝の舞台で2年連続の零敗。東日本大震災からの復興元年に東北に初の優勝旗を持ち帰ることはできなかった。ただ、夢の続きはある。北條、田村はともに今後はプロ志望届を提出する。「また藤浪が投げるときに打席に立つことがあれば、次は絶対に打ちたい」。プロという新たなステージでの雪辱を誓い、甲子園を後にした。

 ▼巨人・坂本(07年卒OB)僕は甲子園に出たけど1回戦で負けた。決勝戦までいけるのは凄い努力をしたからだと思う。またチャンスはあると思うし、次は優勝してくれると思う。

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2012年8月24日のニュース