“リトルの怪物”清宮Jr 世界選手権で大会最長弾!

[ 2012年8月24日 06:00 ]

2ランを放ち、久保監督をハイタッチする清宮

第66回リトルリーグ世界選手権準決勝(国際の部) 日本4-1パナマ

(8月24日 ウィリアムズポート)
 将来の怪物候補が本場の野球ファンの度肝を抜いた。米ペンシルベニア州で行われている第66回リトルリーグ世界選手権に日本代表として出場している東京北砂リトルは22日(日本時間23日)、中南米代表のパナマを4―1で撃破。元早大ラグビー部監督で、現在トップリーグのヤマハ発動機を率いる清宮克幸氏(45)の長男・幸太郎(13)が初回に大会史上最長弾となる先制2ランを放った。チームは国際の部決勝に進出し、日本勢2年ぶりの世界一にあと2勝と迫った。

 米国ではゴールデンタイムにスポーツ専門局ESPNで生中継されるほどの人気と歴史を誇るリトルリーグ世界選手権。そこで注目を集めている強打者が清宮だ。身長は出場全選手中2番目の1メートル83で、93キロのガッチリした体格はとても13歳には見えない。東京北砂の清宮を除く13選手の平均サイズは1メートル62、55キロなので、いかに大きいか分かる。順当に勝ち進んで迎えたこの日のパナマ戦でも初回に約1万3000人の観衆を驚かせた。

 1死二塁。左打席から放たれた打球は右翼フェンスをはるかに越えて、芝生席中段へ。米メディアが「マンモス・ホームラン」と表現した飛距離は310フィート(約94メートル)。これは66回目を数えた同大会で史上最長弾となった。「打った瞬間に入ったと思った。だからゆっくり走った」。清宮は通訳を通して先制2ランの感触を語った。

 父・克幸氏は元ラグビー日本代表のNo・8。現役引退後は、母校・早大を率い、03年に13年ぶりの大学日本一に輝くなど5年間で3度の日本一を達成した。その後、サントリーの監督を経て、11年からヤマハ発動機を指揮している。長男の幸太郎は早実中の1年生。ラグビーの素質も高く評価されていたが、現在は父と違う道を歩む。エースでもあり、16日のキュラソー戦では2回2/3を無安打で7三振を奪った。

 リトルリーグではこれまで130本塁打を記録しており、ホームランボールは全部保管しているという。「このボールもケースに入れたい」と清宮。25日(日本時間26日)の国際の部決勝(相手は未定)では、先発が予想される。多くのメジャーリーガーを輩出している同大会から、新たなヒーローが生まれるかもしれない。

 ▼ヤマハ発動機ラグビー部清宮克幸監督(45) ここまで貢献できていなかったので良かった。本番で力を発揮できるかが、これから勝っていくための肝でもあるので、あと2試合持っている力を出し切ってほしい。4歳からラグビーもやっていたが、自分がやりたいことをやってくれれば、と思っています。

 ▽リトルリーグ 12歳までをリトル、13歳以上をリトルシニア(シニア)と呼ぶ。12歳以下のリトルはグラウンド規格がプロ、高校とは違う。プロの投捕間18・44メートルに対し14・03メートル、塁間も同27・43メートルに対して18・29メートルと小さい。世界選手権の球場は、両翼・中堅とも68・5メートル。11~12歳の投手は1日85球までの球数制限などがあり、離塁は「投球が打者に届くまで」のルールもある。

 ▽リトルリーグ・ワールドシリーズ 1947年からスタートし、今年で66回目。開催地ウィリアムズポートはリトルリーグ発祥(1939年)の地。米国と国際の各8チームがトーナメント戦(敗者復活戦含む)を行い、各優勝チームが世界一決定戦に進出する。東京北砂は、全日本リトルリーグ野球選手権大会(各地区代表16チーム)で優勝し代表に。試合は6イニング制。日本代表は過去7度世界一。76年世界一の調布は荒木大輔(現ヤクルトコーチ)が出場、99年の枚方は元阪神の亀山努が監督を務めた。00年以降では01年東京北砂、03年武蔵府中、10年江戸川南が世界一。参加資格はその年の4月30日時点で11歳、12歳。

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