成瀬 10勝一番乗り 宝刀スライダー不調も連敗止めた

[ 2012年7月28日 06:00 ]

<ロ・ソ>4年連続の2桁となる10勝目を挙げたロッテ・成瀬

パ・リーグ ロッテ9-2ソフトバンク

(7月27日 QVC)
 伝家の宝刀が切れない。ロッテ・成瀬は苦しんでいた。それでも4年連続の2桁勝利となるリーグトップの10勝目。「どうしても勝ちたかったし、勝ててよかった」。試合後の言葉が偽らざる本音だ。

 「スライダーがマチマチで曲がりがおかしかった」と振り返る。5回1死の場面ではカウント2―2から内川へ投じた8球目のスライダーが真ん中に入り、左越えソロを浴びた。「修正できなかった」と苦心しながら粘り強く投げた。

 7回無死一、二塁では中西のバントを自ら捕球し、三塁封殺。「一瞬でも走者を見たら間に合わなかった。サト(里崎)さんがサードと言ってくれたから」という好プレーで気持ちを乗せると、1死満塁では徹底して外角低めへ直球を集め、本多を遊直、明石を遊ゴロに打ち取った。

 球宴2戦目(松山)に先発した際は、球速100キロ前後のナックルフォークを試投したが「シーズンでは使わない。少ない球種で打ち取るのが快感」と哲学を貫いた。唐川、藤岡、渡辺俊と先発ローテーション投手が次々と離脱。負担は増えるが「空回りしないように」と自らに言い聞かせ、7安打されながらも2失点に抑えた。

 チームの連敗を止め、2位・日本ハムに再び1ゲーム差。西村監督は「エースなんだからまだまだ勝ってもらわないと」と期待する。「10勝できたら15勝、20勝も見えてくる」。優勝へ向け、成瀬も当然そのつもりだ。

 ≪00年小野以来12年ぶり≫成瀬(ロ)がパ・リーグ10勝一番乗り。ロッテのリーグ10勝一番乗りは00年小野以来12年ぶりだ。これで09年から11、13、10、10と4年連続2桁勝利。チームで4年以上の連続2桁勝利は清水(現D)が02~06年に5年連続で記録して以来。左腕では水谷則が80~83年に4年連続でマークして以来29年ぶり4人目になった。

続きを表示

2012年7月28日のニュース