13球団制圧!杉内 ルーキー野村も圧倒13K10勝

[ 2012年7月28日 06:00 ]

<広・巨>史上2人目の13球団制圧だ!!2回2死、広瀬の投ゴロをさばく巨人・杉内

セ・リーグ 巨人9-0広島

(7月27日 マツダ)
 巨人の杉内俊哉投手(31)が27日、8回無失点、13奪三振の好投で広島戦初勝利。リーグトップタイの10勝目を挙げるとともに、史上10人目となるセパ全球団勝利を達成した。杉内は04年に消滅した近鉄からも勝ち星を挙げており、近鉄を含む13球団から勝ち星を挙げた投手は、07年の工藤公康(当時横浜)以来、2人目となった。チームも球宴前から1分けを挟んで5連勝。後半戦になっても巨人の勢いが止まらない。

 巨人のユニホームに身を包んでの10勝。通過点とはいえ、過去6回の2桁到達時とは違う安堵(あんど)感を漂わせた。

 「そりゃあ、うれしいですよ。(移籍)1年目でね。最低限の目標としてあったので」

 3回以外は一人の走者も許さなかった。球種は直球のほか、大小のスライダーにチェンジアップだけ。それでも直球と変化球を同じ腕の振りから投げ分けることで、相手打線を翻ろうした。8回を終え101球の完封ペース。9回の打席で四球を選んだ直後に、今後の登板を加味して代走を送られたが、8回1安打で毎回の13奪三振。前日のヤクルト戦(神宮)で21安打16得点と打ちまくった広島打線を沈黙させた。

 巨人創設期のオーナー、故正力松太郎氏の遺訓「巨人軍は紳士たれ」の伝統を実践している。自身が連勝中だった5月に都内の美容室で散髪した。もともと長髪ではないが、ソフトバンク時代は験担ぎとして連勝中は髪を切らなかった。「勝っているうちは何も変えない」が持論。負けた翌日は、自宅から球場までの道順を変えるほど験担ぎにはこだわりがある。それが「巨人の選手らしくね」。きれいにそろったえり足からは決意もにじんだ。

 この日の最高気温は34度だ。「高校時代(鹿児島実)を思い出して投げました」とがむしゃらに腕を振っていた当時と変わらぬ投球。相手先発の新人・野村については「低めのいいところに決まっていた」と話しつつ「ああいう投球をできなかったので、力で押しました」と結果で貫禄を示した。

 過去2戦2敗だった広島戦に7年ぶりに登板し、初勝利。58年にセパ12球団となって以降、史上2人目の13球団勝利を達成した。「(自分が)いい印象を与えるためにも勝てて良かった」。

 チームも両リーグ最速の50勝で2位・中日とは5・5ゲーム差。着々と独走態勢を築きつつある。

 ▼巨人・川口投手総合コーチ(杉内は)しっかりリフレッシュできていた。持ち前の切れが戻っていた。らしい投球だった。

 ≪“最多”は15球団≫杉内(巨)が広島戦に初勝利。これで現12球団全てから勝利をマークした。セ・パ全球団勝利はプロ野球10人目になるが、杉内は消滅した近鉄からも2勝している。現12球団に近鉄を加えた13球団勝利は、07年工藤(当時横浜)が達成したのに次いで2人目だ。なお、多くのチームからの勝利例としては、1リーグ時代、2リーグ制後とまたいで記録したスタルヒン、緒方俊明の15球団がある。

 ≪V確率94%≫巨人は1分けを挟み5連勝で50勝に到達。両リーグ50勝一番乗りは02年以来チーム10年ぶりになる。今季は85試合目で達したが、巨人が85試合以下で50勝に達したのは09年以来33度目。過去32度のうち30度優勝しており、V確率は94%と高い。

続きを表示

2012年7月28日のニュース