野村“祐”の勝ち…スクイズ見抜き“圧巻”ワンバン投球

[ 2012年5月20日 06:00 ]

<広・日>6回2死三塁、斎藤(右)が戦況を見つめる中、陽を三振に仕留め叫びながらガッツポーズを見せる広島・野村

交流戦 広島1-0日本ハム

(5月19日 マツダ)
 「佑祐」対決はルーキー右腕に軍配!広島の野村祐輔投手(22)が日本ハム戦で7回5安打無失点に抑え、今季3勝目を挙げた。東京六大学で自身と同じ30勝&300奪三振を達成した斎藤佑樹投手(23)とのプロ初対決。5回までお互い1点も許さない息詰まる投手戦を制した。防御率はリーグ2位の1・15。「広島の祐ちゃん」は抜群の安定感で憧れの先輩に投げ勝った。

 野村の視界の隅で三塁走者・稲葉が動いた。0―0の2回1死三塁。日本ハムはスクイズを仕掛けてきた。「走者の動きが見えた」。握りはスライダーのままでホームベース手前にボールを叩きつけた。打者・飯山はかろうじてファウルにするのが精いっぱいだった。

 「昔からやっているので」。事もなげに振り返ったが、新人にできる芸当ではない。それも、捕手が後逸しないように、手前でバウンドさせた。女房役の倉も「いろんなものが見えている。凄いですよ」と舌を巻いた。

 5回1死二塁、6回無死二塁、7回無死一、二塁のピンチでも低めにボールを集め、得点を与えない。東京六大学で同じ30勝&300奪三振を達成した1年先輩の斎藤とのプロ初対決。リーグ戦の先発での対戦成績は1勝3敗だったが、この日は7回を5安打無失点で投げ勝ち、新人トップタイの3勝目を挙げた。

 1球の怖さを知っていることも強みだ。07年夏の甲子園決勝。広陵のエース野村は佐賀北に逆転満塁本塁打で敗れ、日本一を逃した。その1年前、日本一に輝いたのが、早実の斎藤だった。

 「学生のころから憧れていた先輩だったので勝ててうれしい」。登板8試合全てがクオリティースタート(6回以上で自責3以下)という安定感で、防御率1・15はリーグ2位。「赤ヘルの祐ちゃん」も、スター街道を突き進んでいく。

 ▼広島・梵(6回斎藤から決勝の4号ソロ)塁に出ることだけを考えていたのでグラウンドを1周したのは違和感があった。ウチの祐ちゃんもよく頑張ってくれた。

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2012年5月20日のニュース