オリ ドラフト8位・川端がV打 連敗6で止める

[ 2012年5月20日 06:00 ]

<ヤ・オ>V打のオリックス・川端はヤクルトに勝利し、後藤(左)、李大浩(右)らナインとハイタッチ

交流戦 オリックス6-3ヤクルト

(5月19日 神宮)
 27歳ルーキーで大脱出や! 岡田オリックスが延長11回の死闘を6-3で制し、連敗を6で止めた。殊勲はドラフト8位の川端崇義外野手(27)だ。3-3で迎えた延長11回2死満塁から、ヤクルト5番手・増渕の外角シンカーを鮮やかに仕留めた。走者一掃の二塁打で振り切り、8日のソフトバンク戦(ほっと神戸)以来8試合ぶりの勝利をつかんだ。

 3-3同点で迎えた延長11回2死満塁。このしびれるような局面でドラフト8位のバットが火を噴いた。カウント1-1からの3球目だ。ヤクルト5番手、増渕が投じた外角シンカーを仕留めた打球は右中間を深々と破った。その直前、後藤が敬遠されて迎えた自身5打席目だった。起死回生、走者一掃の二塁打を放ち、8戦ぶりの勝利をたぐり寄せた。

 殊勲の27歳ルーキーは声が上ずった。

 「思い切り振っていこうと思った。あんまり覚えていません。とりあえず“ヤッター”という気持ち。勝利に貢献できてうれしいです。一丸で頑張っていきたい」

 川端は頬を紅潮させながら振り返った。この日、神宮球場を訪れていた野球評論家の中西太氏から偶然にも打撃指導を受けるチャンスを得た。「上、下のバランスを考えて打つよう言われました。いろんな方に指導されましたが、皆さんに感謝したい」。1点ビハインドで敗色ムードも漂った9回、4番の李大浩(イデホ)が2死一塁から左翼席へ逆転の6号2ラン。主砲の逆転弾で勝利を目前までたぐり寄せたが、守護神の岸田が同点に追いつかれた。「負けも引き分けも覚悟したよ」と岡田監督。二転三転の試合を制し「よう打ったよ」と孝行息子を真っ先に称えた。

 1分けを挟む6連敗で迎えた一戦は大幅に打順を組み替えた。17日の巨人戦(東京ドーム)で坂口が右肩肩鎖関節を脱臼。18日の検査で「実戦復帰まで約10週間」と診断された。不動の「1番・中堅」を欠く苦しい布陣。不振の後藤もスタメンから外れた。坂口の代役には森山を抜てき。「2番・左翼」の野中、「6番・二塁」の安達は今季初スタメンだった。

 岡田監督は言葉に力を込めた。「連敗はどっかで止めなアカンわけやから。この勝ちを明日につなげないと。どっちに転ぶかわからんかった試合をものにしたのは大きいよ」。平野→岸田の必勝継投が崩れたが、序盤戦に訪れた最大の難局を総力戦でもぎ取った意義は大きい。岡田オリックスに光が差し込んできた。

 ◆川端 崇義(かわばた・たかよし)1985年(昭60)2月4日生まれ、静岡県出身の27歳。東海大相模―国際武道大―JR東日本、11年のドラフト8位でオリックス入り。大学では4年時に長野(巨)らと大学日本代表。今季開幕戦3月30日のソフトバンク戦(ヤフードーム)でプロ初出場し通算23試合で65打数20安打0本塁打8打点の打率・308。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。

 ▼オリックス・李大浩(イ・デホ)(9回2死から一時は勝ち越しとなる6号2ラン)高い球が1球来ると思った。チームのストッパーはプライドも高い。私と勝負してくると思った。

続きを表示

2012年5月20日のニュース