青木 「ザ・キャッチ」再現!打っても初適時打3割乗った

[ 2012年5月20日 06:00 ]

<ブルワーズ・ツインズ>3回、左中間に適時二塁打を放つブルワーズの青木

インターリーグ ブルワーズ3―11ツインズ

(5月18日 ミルウォーキー)
 大リーグも18日(日本時間19日)、インターリーグ(交流戦)が開幕し、ブルワーズの青木宣親外野手(30)はツインズ戦で先発では4試合連続となるマルチ安打をマークした。規定打席には足りないが、打率を3割に乗せ、中堅の守備でも背走キャッチの超美技を披露し、レギュラー奪取にまた一歩近づいた。チームが3連敗を喫する中、孤軍奮闘が続く。

 3万2421人の大観衆が詰めかけた交流戦初戦。いきなり青木が守備で魅せた。初回無死二塁、ドジャーの中堅への大飛球に対し、やや前進守備を敷いていた背番号7は懸命に背走。フェンス手前で肩越しにグラブを差し出して捕球した。

 地元テレビ局は何度もリプレーを繰り返し、記者席では「まるでウィリー・メイズのようだ」との称賛の声が上がった。「ザ・キャッチ」と呼ばれる元ジャイアンツの名選手が見せた伝説のプレーをほうふつさせる超美技。相手打者の打球傾向を記したメモをポケットに忍ばせている青木は「あれはいいプレーだった」と自画自賛した。

 今月1日以来の2番に入った打撃でも勢いは止まらない。その裏無死二塁で、左腕ダイヤモンドから速球を左前打すると、1点を追う3回無死二塁では「今度は変化球を挟むはず」と外角低めのカーブを左中間へライナーで運ぶ同点適時二塁打。メジャー初の適時打で4打点目を挙げた。

 前日から死球を挟み5打数連続安打。それも、全て左投手から打ったものだ。控えとして開幕を迎えた1年目。ヤクルト時代にはほとんど経験がない代打が多く、打率は・211まで落ち込んだ。しかし、そんな時に思い出したのが、早大時代に徹底されたという「遊撃手の頭上に低いライナーを打つ」イメージ。球を手元まで呼び込むから左腕相手にも体勢を崩すことはない。先発機会が増えることで、本来のバットコントロールも復活。ライバルのモーガンが打率・189に低迷する中、3割に乗せた。

 しかし、昨季地区優勝のチームは3連敗で借金7。クラブハウスには重苦しい雰囲気が流れた。「こういう雰囲気は好きじゃない。勝ちにつながる一本を打っていけるようにしたい」と語気を強めた青木が救世主となる。

 ▽ザ・キャッチ 1954年のワールドシリーズ、ジャイアンツ―インディアンス第1戦でジ軍の殿堂入り選手、ウィリー・メイズが見せたキャッチ。大リーグ史上最高のプレーと評される。2―2で迎えた8回無死一、二塁で、中堅へ上がった大飛球に背走。そのまま左肩越しに捕球した。当時のジ軍の本拠ポログラウンドは中堅が深くキャッチした地点は本塁から135メートル地点だった。この試合を延長で制したジ軍は4連勝で世界一に輝いた。

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2012年5月20日のニュース