ダルデビュー戦へ準備万端 60球で1球も芯食わず

[ 2012年4月6日 06:00 ]

4回を2安打無失点5奪三振に抑えたダルビッシュ

練習試合 レンジャーズ6-1フリスコ

(4月4日 フリスコ)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が4日(日本時間5日)、傘下2Aフリスコとの練習試合に先発し、4回を投げて2安打、5三振。実戦登板では5試合ぶりの無失点で、公式戦デビューとなる9日(同10日)のマリナーズ戦を前に最後の調整登板を締めた。ダルビッシュ自身も準備万端を口にし、イチローとの対決がいよいよ楽しみになってきた。

 最後の打者を二ゴロに打ち取ると、ダルビッシュは晴れ晴れとした表情を浮かべ、ベンチへと戻った。

 「全体的に投げたいボールも投げられたし、投球としても良かった。この環境で野球ができていることが幸せ。(開幕へ向けて)もう全然、大丈夫」

 開幕前最後の調整登板。初回から速球で空振りを奪う。2回に連打を許し、2死一、三塁とピンチを招いたが、右打者を低めのツーシームで三ゴロに。最速は95マイル(約153キロ)。2Aが相手とはいえ、1球も芯で捉えさせず、「さすが」の60球だった。ロン・ワシントン監督も「もう準備は整った。これぞ大リーガーの投球。マリナーズ戦が最初の挑戦となるが、今は誰が相手でも問題ない。本当に(デビュー戦が)楽しみだ」と手放しで称えた。

 実戦7試合目でフォームも固まった。前回登板のロッキーズ戦までは直球が高めに抜けるシーンがみられたが、この日は低めへしっかり制球された。ストライク率は前回の63%から67%、初球ストライクも26人中11人から16人中10人とアップした。キャンプ地のアリゾナ州は湿度10%前後と極度に乾燥しており、ボールを制御しきれなかったが、2Aの本拠があるテキサス州では湿度70%以上。「こんなに投げやすいとは思わなかった」と白い歯をのぞかせた。

 ボールが手につけば、余裕も生まれる。3回1死で小柄な左打者ガルシアを迎えると、「仮想マリナーズ」ともいえる行動。小技もあるイチロー、川崎、フィギンズをイメージしてか、一、三塁手に前進するように指示。初球は低めのスライダーから入るなど、セーフティーバントも想定して投球した。さらに同打者の2、5球目には実戦初めてのノーワインドアップも試投。「単に気分的なもの。遊び感覚で投げた」としたが、シーズン中の登板でワインドアップが安定しない場合を考えれば、引き出しの多さは武器になる。

 「日本でも開幕に対して気持ちの高ぶりはなかった。あとは今まで通り調整をしていきたい」。淡々とした口調にも、あり余る自信が漂っていた。

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