やっと出た!中田25打席目今季初安打が1号ソロ

[ 2012年4月6日 06:00 ]

<日・オ>8回、今季初安打となるソロを放った中田

パ・リーグ 日本ハム3-1オリックス

(4月5日 札幌D)
 出た!栗山ハムの主砲がようやく「開幕」だ。日本ハムの4番・中田翔内野手(22)が5日、オリックス戦の8回に左翼へ今季1号ソロを放った。開幕から6試合、25打席目にしての初安打が豪快な一発。自己ワーストの26打席連続無安打が目前に迫る中での快弾でチームの連敗も3でストップ、勝率を5割に戻した。苦しみ抜いた末に長いトンネルを脱出した主砲の一撃に、栗山英樹監督(50)も思わず目を潤ませた。

 興奮。笑顔。こんな中田は見たことがない。それほどうれしかった。開幕から6試合、25打席目で飛び出した初安打が1号ソロだ。ベンチに凱旋するなり、いとおしそうに何度もバットを額に押しつける。そして大型ビジョンに自身の姿が映し出されるや、両手を突き上げてガッツポーズした。

 「自分でも何をしていたのか本当に覚えていない。うれしすぎて、そういう行動を取ってしまった。とにかく打てて、感謝の気持ちでいっぱい」

 8回2死。香月の135キロカットボールを思い切りしばいた。「一発か三振か。割り切って打席に入った。狙い球なんてない。来た球を思い切り振ることだけを考えていた」。打球の行方も見ずに、無我夢中で二塁まで全力疾走。スタンドインを確認しても歩をゆるめず、あっという間にダイヤモンドを一周した。

 「将来の投打の柱をつくる」というチームビジョンを持つ栗山監督から、中田は開幕前に「何があっても絶対に外さない」と全試合4番で使うことを通達された。オープン戦は打率・368と好調も、一本の安打が出ずに苦しんだ。4番打者という責任感から結果を求めるあまりに上体が突っ込み、持ち味のフルスイングが影を潜めた。そんな中でナイター後もバットを振り込み、試合では代打で好調の二岡のバットを借り、自らの昨年までのモデルのバット、色違いのもの…。験を担いで試せるものは全て試した。それでも結果が出ない。試合後には報道陣の質問にいら立ちをあらわにしたこともあった。

 「長かったですね…。でも冷静に考えたらたかが5、6試合だから。初安打は本塁打だと思っていたので。冗談ですけど」。中田はこの試合でも走者を置いた場面で2度凡退を含む3打席無安打。最後の最後に飛び出した一発に、信じて4番で使い続けた栗山監督は真っ先にベンチから飛び出した。打球の行方を見届けると、思わず目を潤ませ「しっかりバットを振った中での結果だから本当に良かった。大事なのはこれから。4番が打たないと勝てないからね」と、さらなる奮起に期待した。

 「ようやく自分の仕事ができたかな。でも遠征に行く前に、みんなの前で打てて本当に良かった」と笑いながら、「まだボール球に手を出している自分がいるし、これからです」と反省も忘れなかった中田。重圧から解き放たれて柔和な表情に戻った22歳の主砲が、真の4番への道を歩み始めた。

 ≪自己ワースト目前≫昨年8月21日のオリックス戦(札幌ドーム)の第3打席から、同28日の西武戦(西武ドーム)まで26打席連続ノーヒットが自己ワースト。その間は5三振、5四球で1犠飛。同30日のロッテ戦(QVCマリン)の第1打席で一塁内野安打、第4打席で左中間へ19試合ぶりとなる一発を放った。

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