金本 イチ越え弾 メジャー球120メートル飛ばした

[ 2012年3月26日 06:00 ]

<神・マ>2回、阪神・金本はイチローの頭上を越す2ランを放つ

日米親善試合 阪神5―1マリナーズ

(3月25日 東京D)
 阪神・金本の大飛球は、名手イチローのはるか頭上を越えていった。1点リードの2回1死二塁。先発・ノエシの直球を捉えた打球は虎党の大歓声を切り裂きながら右翼席上段へ。イチローも後方に2歩下がった後は動きを止めるほどの特大2ランだった。

 「実戦、本番を想定していたんでね。ランナーが二塁にいたし、とにかく1点を取りにいきました。手応えはありました。打った瞬間“いった”と思いました」。今季初。昨年9月29日のヤクルト戦(神宮)以来となる対外試合でのアーチに頬も自然と緩む。阪神が攻撃の際は、日本の統一球よりも重く、飛ばないとされるメジャー球が使用された。本場のパワーヒッター顔負けの一撃に「日本にもパワーがある打者がいるんだぞ、というのを見せられて良かったです」と舌も滑らかだ。

 プロ21年目。右肩棘(きょく)上筋断裂からの完全復活を目指す。現在も過酷なリハビリと肩のトレーニングを継続中。順調な回復ぶりを証明したが、そこに満足感はない。「欲を言えばレフトからセンター方向への(打球の)飛距離を伸ばしたいです。ケガをする前のバットの軌道に戻っていない」。今春キャンプでは崩れたスイングを矯正するため、徹底的に中堅から左翼方向へ打ち返すことを心掛けた。今も素振りを中心に微調整。

 ただ「欲を言える」こと自体、昨年とは雲泥の差だ。チームはオープン戦最下位。チーム打率も・198と12球団唯一の1割台と苦しんだが、メジャー相手に10安打5得点で快勝。和田監督は「カネが火を付けてくれた。チームにとってもいい一打だった」と称えた。

 開幕スタメンを手中にする一発。引退も覚悟したどん底からの完全復活へ。4月3日に44歳を迎えるアニキは、やはり猛虎に不可欠な存在だ。 

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2012年3月26日のニュース