工藤2世出現!浜田 圧巻14K 省エネ95球完封

[ 2012年3月26日 06:00 ]

<愛工大名電・宮崎西>7回無死、後藤のゴロに飛びつく愛工大名電・浜田

センバツ1回戦 愛工大名電8―0宮崎西

(3月25日 甲子園)
 究極の省エネ完封ショーだ!今秋のドラフト候補、愛工大名電・浜田達郎投手(3年)が第3試合に登場。最速147キロのスピードをあえて抑えて制球を重視。宮崎西を相手に95球、14奪三振で無四死球完封勝利を挙げた。100球未満での2桁奪三振&無四死球完封は、センバツ20年ぶり。同校の大先輩・工藤公康氏(48)をほうふつさせる左腕は、29日2回戦で昨春4強の履正社(大阪)と対戦する。

 今大会最多の4万人の大観衆。浜田は顔色一つ変えずに9回を投げきった。95球で14奪三振、無四球完封。センバツでの「100球未満、2桁奪三振、無四球」完封は92年の天理・西岡修二以来20年ぶりの快挙だった。「フォームがバラついて調子は良くなかった。今のベストピッチはできたと思います」。大会屈指の左腕。この快投でも最高ではないというのだから、まさに驚きだ。

 東京ドームでは母校の先輩・イチロー(マリナーズ)がプレー。大谷(花巻東)、藤浪(大阪桐蔭)と「ビッグ3」と称されるタツローの完封ショーは初回、先頭打者からの見逃し三振で幕を開けた。最速147キロの直球をこの日は140キロに。「コースを丁寧に突いて」打たせて取る投球を心掛けた。カーブ、フォーク、スプリットを封印。直球とスライダーのみで投げきった。二塁すら踏ませなかったが「三振はたまたま。取ろうと思った場面はありません」と話すのだから心憎い。

 「きょうは後のことを、優勝を見据えて少ない球数を意識して投げました。(球数は)100点満点です」。初の聖地でいきなりの快投。そんな浜田と野球との出合いは偶然だった。名古屋・常磐小では1年から始めた水泳に没頭。5年生のある日、学校のグラウンドにドングリ拾いに行った際、野球をしていた友人に声を掛けられて初めてグラブを手にした。すぐに魅力に取りつかれた。

 「ピークは決勝に合わせていきたい」。冬には体幹を徹底的に強化した。タツローのVロードの序曲。4万人の観衆を見事に酔わせた。

 ▼工藤公康氏(81年度卒OB)去年の明治神宮大会で見ました。ボールに力があってテークバックが小さいので打者はタイミングが取りづらいという印象でした。きょうの試合は見ることができませんでしたが、せっかく甲子園に出場できた。出られなかった学校の分まで思い切り楽しんで、一戦一戦の気持ちで勝ち上がってほしいです。

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