マー君152キロ3回完全!山崎斬りで“復活”開幕投手に

[ 2012年3月26日 06:00 ]

<中・楽>3回をパーフェクトに抑えた楽天先発の田中

オープン戦 楽天5-5中日

(3月25日 ナゴヤD)
 右背筋痛を抱える楽天・田中将大投手(23)が25日、オープン戦最終戦の中日戦(ナゴヤドーム)に先発し、負傷降板した18日オリックスとの練習試合(草薙)以来の実戦復帰を果たした。昨季まで楽天に在籍した中日の4番・山崎武司内野手(43)を最速152キロの直球で中飛に仕留めるなど3回をパーフェクト。故障で30日ロッテ戦(Kスタ宮城)の開幕戦登板が危ぶまれていたが、見事な「復活投」であらためて開幕投手に正式決定した。

 マウンドを降りながら右手でグラブを叩いた。負傷降板から1週間での復帰登板。田中は1人の走者も出さずに3回を完璧に抑えた。「ヨッシャ!」のしぐさは自身の復調、そして開幕戦登板に手応えを感じた証だ。

 「練習では不安なく投げられていたので、試合で投げるにあたって負荷に耐えられるかだけだった。きょう(25日)投げられたのは、開幕も投げられるということなので良かったです」

 圧巻は元ミスター楽天・山崎と初対決だ。2回に対峙(じ)すると「ランナーもいないし、真っすぐでいくしかない」と決めた。山崎も「あいつの性格からすると変化球はない」と判断。両者の思惑が一致した直球勝負は、まず初球の146キロで空振りさせた。2球目はファウルとなり、最後は最速152キロで中飛に仕留めた。昨季まで投打の柱としてプレーした同門対決を「楽しかったです」と振り返った。

 さすがの田中も、不安がなかったわけではない。18日のオリックスとの練習試合で初回に負傷降板して以来のマウンド。当初は「右背筋痛」と発表されたが、右脇腹痛という重症情報もあった。「最初は気持ちを抑えましたが、何球か投げていけると思って腕を振りました」。新球のカットボールは1球だけテスト。全35球のうち150キロ超の直球は4球を数え、勢いのある球が戻ってきた。佐藤投手コーチも「本人はブルペンでも“絶好調!”と言ってたよ」と話した。

 昨季は沢村賞を受賞するなど順風満帆だったが、キャンプ以降は苦労が絶えなかった。尊敬する兄貴分のレンジャーズ・ダルビッシュから伝授された新フォームで試行錯誤し、右肘の張りで投げ込みを一時中止。登板日は毎回雨に泣かされ、とどめは今回の負傷だった。それでも開幕投手を熱望したのは、エースとしての責任感からだ。30日ロッテ戦(Kスタ宮城)の開幕戦チケットは早々と完売。球団創設8年目で初の仙台開幕とあって、ファンと球団の期待が双肩にかかっていることを理解している。

 「キャンプから今までうまくいかないことがたくさんあって、思うようにできていない部分はありましたが、逆に今置かれている状況、立場を楽しんで開幕を迎えられると思う」。田中はそう話して「だから、楽しみです」と続けた。26日は仙台で調整し、患部の状態をチェック。後顧の憂いは断ち切り、晴れの舞台に臨む。

 ▼楽天・星野監督 そんなに良くはなかったけれど、内容を言ってのこと。あれ以上のいい投手はうちにいない。開幕戦は寒いのだけが心配。ドームのほんわかムードでは放れないからな。

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2012年3月26日のニュース