38歳・西口、2192日ぶり完封 フォークで2桁奪三振

[ 2011年8月29日 06:00 ]

<西・日>ビクトリーロードで西口は、妻の艶子さんに抱かれた次女にウイニングボールを手渡す

パ・リーグ 西武1-0日本ハム

(8月28日 西武D)
 最後の134球目は、143キロの直球だった。糸井を遊ゴロに仕留めると、西武・西口は照れ笑いを浮かべながらナインとハイタッチ。実に2192日ぶりの完封勝利だった。

 「歓声が大きくて、ノーヒットノーランでもやっているのかと思った。久々過ぎて疲れました。不思議な気分。記録が途切れたのは悔しいですけど、完封はうれしい」。06年6月4日の巨人戦(東京ドーム)で完投負けを喫して以来、先発試合では102試合連続で完投なし。自身が更新し続けてきた日本記録は途絶えたが、「これはなかなか破られないんじゃないかな」と笑った。

 3回無死一、二塁のピンチ後、打者20人をパーフェクトに封じた。散発3安打。5年ぶりに2桁10三振を奪った。前回の完投勝利、そして完封は05年8月27日楽天戦(インボイス)。9回まで打者27人をパーフェクトに抑えたが、延長10回に安打を許した伝説の試合だ。38歳11カ月での完封は、東尾修(本紙評論家)の38歳3カ月を上回る球団記録のおまけつきだ。

 05年に17勝を挙げて以来、年々勝ち星は減った。昨年は2度の2軍落ち。引退危機にも立たされる中、渡辺監督の「もうベテランの特権はない。若手に勝たないと1軍には呼ばない」との言葉に発奮した。「人生初だよ」とウエートトレーニングに着手。体は若返った。この日は9回に最速144キロを計測。「夏場にランニングの量を増やしたから。あ、でも増やしたのは多少だけど」とおどける余裕もあった。

 8回を終え、ベンチに戻ると渡辺監督から「自分で終止符を打ってこい」と尻を叩かれた。その指揮官は「言うことない。久しぶりにあれだけ落ちるフォークを見た」。来月で39歳になるチーム最年長右腕が、最後までマウンドを守りきった価値は大きい。

 ◆西口の前回完封 05年8月27日の楽天戦(インボイス)。初回2死から3者連続三振など快調な投球で、9回まで1人の走者も許さず投げきった。しかし味方の援護がなく0―0で延長戦へ。迎えた10回、先頭・沖原に右前打されて完全試合が消滅。それでも2死一、三塁のピンチを切り抜け、その裏に石井義の二塁打でサヨナラ勝ちした。西口は02年8月26日のロッテ戦(西武ドーム)、05年5月13日の巨人戦(インボイス)と2度、9回2死で初安打を許して無安打無得点試合をフイにしている。

 ≪完封17度は現役3位タイ≫西口(西)が10三振を奪い1―0完封。06年6月4日巨人戦(敗戦)以来の完投となり、自身の先発機会無完投は102試合で止まった。完封は17度目で現役3位タイに浮上。うち8度が1―0完封で、現役では山本昌(中)、ダルビッシュ(日)の6度を抑え最も多い。なお、2桁奪三振は06年6月18日の横浜戦(12三振)以来5年ぶり31度目となった。

 ▼西武・小野投手コーチ(西口について)まだ十分できるよ。技術どうこうより気が入っていた。さすがベテラン。気持ちをコントロールしていた。

 ▼日本ハム・福良ヘッドコーチ コントロールが良かったし、フォークも落ちていた。前半に少し球が高いときがあった。あのときになんとかしたかった。

 ▼日本ハム・稲葉 フォームに躍動感があったし、ボールの切れはいいときの頃に戻っていた。気持ちも入っていた。

 ▼日本ハム・小谷野 昔は直球とスライダーのイメージだったが年々、球種が増えている。その中で緩急をつけられた。きょうに関しては手のつけようがなかった。

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