ジャイアンツ 新人バッテリーで56年ぶり世界一王手

[ 2010年11月2日 06:00 ]

<ジャイアンツ・レンジャーズ>8回3安打無失点と好投したジャイアンツのバムガーナー

 【ジャイアンツ4―0レンジャーズ】ワールドシリーズは31日(日本時間1日)、第4戦が行われ、ジャイアンツは新人バッテリーの活躍で4―0で勝利。対戦成績を3勝1敗とし、1954年以来、56年ぶりの世界一に王手をかけた。先発マディソン・バムガーナー投手(21)が8回3安打無失点と好投すれば、女房役のバスター・ポージー捕手(23)はダメ押しの中越え1号ソロ。将来を背負って立つと期待されるドラフト1巡目コンビが大舞台で輝いた。

【試合結果


 敵地のブーイングにも動じなかった。ノースカロライナ州にある人口わずか2800人の街で生まれた左腕バムガーナーが、5万1920人の観衆を沈黙させた。8回3安打無失点。ワールドシリーズでの新人勝利は、07年の松坂(レッドソックス)以来で、21歳91日は史上4番目の若さだ。
 「新たな自分の始まりだと言い聞かせて投げた。こんな結果は夢にも思わなかった」
 強打のレ軍打線を相手に、ベテランのような投球術が光った。唯一のピンチだった7回2死一、二塁では低めが得意なキンスラーに高めを2球続け、狙い通り左飛に。故障を懸念した父ケビンさんの指導方針から変化球を投げ始めたのは16歳だが、この日はスライダーや、昨季習得したチェンジアップで翻ろうした。
 そのバムガーナーが「彼を100%信頼している。何を投げたいか全部察してくれる」と言ったのが、08年アリゾナ州での教育リーグからバッテリーを組むポージー。23歳の女房役は好リードに加え、4番打者としても8回にダメ押しの1号ソロで左腕を援護した。
 通算303勝左腕ランディ・ジョンソンが昨季限りで引退したが、ジ軍が引き留めなかったのは、07年にドラフト1巡目で入団したバムガーナーの存在があったからといわれる。その翌年に1巡目指名されたのがポージーだ。ワールドシリーズで新人バッテリーが先発出場するのは、1947年ヤンキースのスペック・シェイ、ヨギ・ベラ以来63年ぶり。新人コンビの活躍で勢いをつけたチームは、56年ぶりの世界一に一気に駆け上がる。

 ▼ジ軍・ボウチー監督 バムガーナーは言葉に表せないほどの大仕事をしてくれた。21歳であの好投だからね。彼は特別な存在。球団にいてくれて頼もしい。

 ▼ジ軍・ハフ(3回に先制2ラン)会心の当たりだった。昨オフはオファーが全然来なくて、ジャイアンツが手を挙げてくれた時は飛びついた。選んで良かった。

 ◆マディソン・バムガーナー 1989年8月1日、ノースカロライナ州生まれの21歳。南カルドゥエル高から07年にドラフト1巡目(全体10番目)でジ軍に入団。09年9月8日のパドレス戦でメジャーデビュー。今季は18試合で7勝6敗、防御率3・00。1メートル93、98キロ。左投げ左打ち。

 ◆バスター・ポージー 1987年3月27日、ジョージア州生まれの23歳。フロリダ州立大から08年ドラフト1巡目(全体5番目)でジ軍入団。2年目の今季、5月末にメジャー昇格。捕手兼一塁手として108試合出場で打率・305、18本塁打、67打点。1メートル85、93キロ。右投げ右打ち。

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2010年11月2日のニュース