1番の悩み…原監督、坂本&長野&脇谷を個別指導

[ 2010年10月12日 06:00 ]

全体練習後、脇谷、坂本、長野指示を出す原監督(右から2人目)

 3位からの日本一連覇を目指す巨人は11日、16日からのクライマックスシリーズ(CS)ファーストS(甲子園)に向け、川崎市のジャイアンツ球場で全体練習を行った。シーズン終盤は1番打者が機能しなかっただけに、原辰徳監督(52)は長野久義外野手(25)、坂本勇人内野手(21)、脇谷亮太内野手(28)の1番候補3選手に個別で極秘指導。12日に行われるシート打撃でも、3選手に鋭い視線を注ぐ。

 室内練習場に原監督の声が響いた。「よし、そうだぁ!」。報道陣シャットアウトの個別指導は長野に約50分、坂本と脇谷には合計で約40分。最後は3選手に体の切れを取り戻させるために居残りでアメリカンノックも課した指揮官は、指導内容は明かさなかったが「若手の代表選手だからね」と期待をにじませた。
 今季V逸の要因は先発陣の不振だが、打線も最後の10試合で2ケタ安打が2試合のみ。好調だったのは4番のラミレスぐらいで、特に開幕から1番を任されていた坂本は原監督が命名した「ポップフライ病」により、ラスト3試合は6番で出場した。代役で1番に座った長野も、13打数2安打で打率・154、5三振と機能せず。阪神とのCSファーストSに向け、自らの目で状態をチェックする狙いもあった。
 新人王最有力候補の長野は、今季阪神戦で打率・423、4本塁打、13打点。原監督の期待も大きく、この日は低めの変化球を追いかける悪癖をなくすため、あらためて軸足に体重を残す打撃を教え込まれた。長野は個別指導について「基本的なこと?そうですね」と多くを語らなかったが、1番奪回を狙う坂本は「基本的なことを教わった。結果を出したい」と意欲。今季はセ・リーグ記録の15試合連続得点を記録するなど1番の適性もある脇谷は「スイング軌道や軸回転の打撃を教わった」と振り返った。
 パ・リーグは同じ3位のロッテが西武を破りファーストSを突破。原監督は「やっぱり勢いだよね」と感想を語った。若手でムードメーカーの長野、坂本、脇谷が打てばチームは勢いに乗る。裏を返せば3人の奮起なくして日本一連覇はない。

続きを表示

2010年10月12日のニュース