選手を信じ、選手から慕われた名将 涙でグラウンドに別れ

[ 2010年10月12日 17:01 ]

ジャイアンツに敗れ、地区シリーズで敗退したブレーブス。今季限りで勇退するコックス監督は、ファンの声援に応えて手を振る

 【ブレーブス2―3ジャイアンツ】地区シリーズ敗退が決まると、本拠地のスタンドから「ボビー・コール」が起こった。帽子をかざして感謝の意を表すと、歓声を背にダッグアウト裏へ。「道を譲る時期だ」と勇退を表明していたブレーブスのボビー・コックス監督(69)が、最後の試合を終えた。

 ブレーブスとブルージェイズで通算29年指揮を執り、最優秀監督には4度選ばれた。2度目のブレーブス監督就任後は14シーズン連続でプレーオフに出場し、1995年にワールドシリーズを制覇。今季は史上4人目の通算2500勝を達成し、名将の名をほしいままにした。

 選手をとことん信用する人情派で、審判への激しい抗議でも知られた。レギュラーシーズン退場数は、大リーグ最多の158。今回の地区シリーズでも判定をめぐってポストシーズン3度目の退場処分を受けた。常に選手の立場に立つコックス監督を、斎藤は「もし選手でなくユニホームを着ることがあれば、彼のようになりたい」と話す。

 試合後の記者会見では、選手へ伝えた言葉を聞かれ「みんなを誇りに思うと…」と言うと、涙をにじませた。偉大な指導者はこれで現場を去るが、コーチや選手時代に薫陶を受けた大リーグ監督はすでに9人誕生している。その哲学は、今後も脈々と受け継がれていくことだろう。(共同)

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2010年10月12日のニュース