Dバックス、ダルビッシュ獲得へ65億円用意

[ 2010年10月12日 06:00 ]

ダイヤモンドバックスが65億円を用意し、獲得に動いていることが分かった日本ハムのダルビッシュ

 今オフ、ポスティング・システム(入札制度)によるメジャー移籍を視野に入れる日本ハムのダルビッシュ有投手(24)の獲得に、ダイヤモンドバックスが本腰を入れていることが10日(日本時間11日)、分かった。獲得資金として8000万ドル(約65億6000万円)を用意。エースとして迎え入れる態勢を整えた。また、既に同制度でのメジャー移籍を表明している楽天の岩隈久志投手(29)の調査も進めており、日本のエース獲得に全力を尽くす。

 「日本の至宝」獲得へ、ダイヤモンドバックスが水面下で準備を着々と整えていた。大リーグ関係者は「ダイヤモンドバックスはダルビッシュに対する綿密な調査は完了している。資金面でも強豪球団と戦える資金を用意できる」と語った。
 ダ軍はダルビッシュの登板試合を徹底チェック。今季途中からGM代行を務めていたジェリー・ディポート重役も来日している。さらに、昨季まで楽天に在籍したリック・ショート氏(登録名リック)、04~06年に日本ハムの投手コーチを務め、ダルビッシュも指導したマイク・ブラウン氏がスカウトを担当しており、能力は熟知している。
 ダ軍の今季開幕時の球団年俸総額は7548万ドル(約61億9000万円)だったが、ハレン、ジャクソンといった高額選手をトレードで放出。来季残留が確定している選手の年俸総額は2000万ドル(約16億4000万円)に満たず、40億円以上の余剰資金がある。加えて、9月下旬にケビン・タワーズGMが就任。パドレスGM時代に大塚を獲得し、日本人投手の能力を「チームのために戦うことができる精神力、技術を持ち合わせている」と高く評価する同GMは「なるべく早く、チームを勝たせるように変える」と積極補強を宣言している。ポスティング費用とダルビッシュとの契約に備え、総額8000万ドルの資金を用意しているもようで、ヤンキースなどの強豪球団と互角に戦える資金力はある。
 過去に日本人選手が所属したことはないが、06年オフには松坂、井川のポスティングの入札に参戦。また、07年オフには黒田獲得へ3年総額3000万ドル(約24億6000万円)を用意した実績もある。
 本拠地チェース・フィールドは開閉式のドーム球場。乾燥しており、ボールが飛ぶことで有名だが、来季からは「大型加湿器」を設置することも決定し、投手に不利とされた欠点も解消される。来年7月にはオールスターが開催されるため、まさに勝負のシーズン。そのチーム改革の中心にダルビッシュがいる。

 ▽ポスティング・システム(入札制度) FA権のない選手が所属球団に容認された上でメジャー移籍を希望した際、その交渉権をメジャー球団が入札により獲得するシステム。入札最高額を所属球団が受諾すれば、30日間の独占交渉権が与えられる。期間は11月1日から翌年3月1日まで。98年に日米間選手契約に関する協定で定められた。

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2010年10月12日のニュース