打球こなくて…「左翼・中田」肩透かしデビュー

[ 2010年2月9日 06:00 ]

紅白戦で外野手デビューも、守備機会に恵まれなかった中田

 あれれっ…1球も飛んでこないとは…。日本ハムの中田翔内野手(20)が8日、今キャンプ初となる紅白戦で白組の「3番・左翼」で先発。外野に専念してから初の実戦に挑んだが、左翼へ打球が1球も飛ばずに、まさかの守備機会0。肩透かしのデビューとなってしまった。それでも試合後は外野守備の練習を志願するなど3年目の今季は定位置獲りへ必死だ。

 左翼から右翼方向へ強く吹き抜けていく名護の風を、中田は恨めしそうに見つめていた。チーム初の実戦となった紅白戦に左翼で先発。外野手デビューを果たすも1度も打球を処理することはなかった。「1球も飛んでこなかったので…内野の時は来るなと思った時もあったけど、(外野では)飛んでこいと思っていた。風が強いのは気になったけど飛んでこなかったから」とまさかの肩透かしに苦笑いだ。
 出場機会を増やすため、今キャンプから外野に専念。雨の中でも短時間でも、とにかく毎日、清水外野守備走塁コーチに特守を志願し、デビューに備えてきた。しかし、初回1死一塁から糸井の打球が左翼方向へファウルとなって追いかけた以外は、ほとんど定位置を動かずじまい。「自分がどこまでできるか試してみたかったんですけど…」と困惑気味だった。
 打撃でも3打席に立って右飛、右飛、二飛に倒れ「泳がされてしまった。最後の打席の、最後の1球だけしか素直にバットを振れなかった」と反省。それでも1度も打球処理ができなかったうっ憤を晴らすように、練習後には志願の外野練習を行った。打球を追いながら体の向きを変える切り返しの練習でも終始笑顔で取り組んだ。
 梨田監督は「特守を志願してコーチを引っ張ったり、今まででは考えられないこと。やろうという気持ちを感じる。あとは積み重ね」と前向きな姿勢を評価。清水コーチも「守る時、打球に反応できるように太腿から手を離して体を左右に揺らしていた。今までならダラダラしていたのにすごい成長。あすは打球が飛ぶよう祈るよ」と笑みを浮かべた。
 「少しずつでも成長しているから、面白いし楽しい」と中田。9日の紅白戦も左翼で先発予定。今度こそ、日頃の練習の成果を発揮し、ひと味違ったニュー中田を見せつける。

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2010年2月9日のニュース