トルネード復活!17年ぶり再戦に前田智“覚せい”

[ 2010年2月9日 06:00 ]

前田智相手に投げる野茂臨時コーチ(左)

 広島の沖縄キャンプに臨時コーチとして招へいされている日米通算201勝の野茂英雄氏(41)が今キャンプ初めて打撃投手を務めた。セットポジションから前田智、石井、ヒューバーを相手に計66球。懐かしのトルネード投法が、プロ20年目の昨季に腰痛など度重なる故障で1軍出場なしに終わった前田智を覚せいさせた。

 「真剣勝負?それはもう、そうですよ。失礼のないように大事に打たせてもらった」
 93年の球宴以来、実に17年ぶりの再戦。互いが相手への敬意を込め、シーズン同様の緊張感を持って臨んだ。その中で、前田智は野茂氏が投じた18球目を中前、ラスト19球目は左前へと、全盛時をほうふつさせるようなバットコントロールで打ち分けて対戦を締めくくった。
 野茂氏はコメントを控えたが、同氏の投球を見守った野村監督は「日本一ぜいたくな打撃練習だったね」と満面の笑み。その上で、「(前田智は)何球かに1球、下半身をグッと回す意識が見られた。それを常にやるようになってくると、状態も上がってくる」と、代打の切り札として38歳の復活に期待を寄せた。
 また、対戦した39歳の石井も17スイングで安打性は3本と“完敗”したが、「日本人メジャーリーガーの先駆者ですから、僕にとっては偉大な人。プレミアムでサプライズな時間でした」と感謝感激の様子だ。
 もちろん、投手陣も打撃ケージの真後ろに張り付いて見学。大竹が「下半身がどっしりして、全くバラつきがない」と感嘆すれば、大野ヘッド兼投手コーチは「野茂が投げているというだけで(投手陣の)刺激になる」。第2クール最終日の11日まで、熱血トルネード塾は続く。

 ▼広島・ヒューバー(08年にロイヤルズで同僚)まだまだ(現役で)投げられそうな雰囲気があるね。私にとっても彼はスーパースター。

 ◆93年球宴での全パ・野茂VS全セ・前田VTR GS神戸で行われた第2戦(7月21日)で実現した。初回無死一塁では一ゴロも、2回1死三塁では中前適時打。野茂は2回を5安打3失点で降板。前田は5打数1安打1打点も野茂から放った適時打が評価され「サンヨーオールスター新人賞」(賞金30万円)、「SANYO賞」(賞金10万円)を獲得した。
 ◆野茂氏と打撃投手 オリックスのテクニカル・アドバイザー(TA)を務めた昨春の宮古島キャンプで2度登板。2月7日に紅白戦後の居残り練習で北川、日高、後藤を相手に直球、カーブ、フォークを交え計48球。北川は「幸せでした。目の前にトルネードがいるなんて」と感激。同26日にも浜中、北川らに対して99球を投げ込んだ。

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2010年2月9日のニュース