583発男マグワイア氏涙の謝罪…薬物認めた

[ 2010年1月13日 06:00 ]

1998年9月27日、70号本塁打を放ったカージナルスのマグワイア

 大リーグ通算583本塁打を放ち、今季からカージナルスの打撃コーチに就任したマーク・マグワイア氏(46)が11日(日本時間12日)、現役時代の薬物使用を認め、涙ながらに謝罪した。声明文を発表したのに続き、大リーグ機構が運営するテレビにも出演。これまでは沈黙を守っていたが、89年途中から10年ほどにわたり、断続的にステロイド(筋肉増強剤)などを使用していたことを告白した。

 05年の米下院公聴会で「過去の話をするつもりはない」と証言し、その後は薬物使用について沈黙を守っていたマグワイア氏が、自らの口で真実をすべて明らかにした。スーツ姿でテレビに出演すると、目に涙を浮かべ、声を詰まらせた。
 「ステロイドに手を出したことはおろかな行為。人生で一番後悔している。心からわびたい」
 引退から9年目の告白。引き金となったのはコーチ就任だった。チームに悪影響を及ぼすことを懸念し「疑惑について明らかにする義務がある」と、前日に大リーグのセリグ・コミッショナーやカ軍ラルーサ監督に連絡。声明文発表後には、インタビュアー1人と向き合う形のテレビ出演で50分間も赤裸々に語った。
 薬物に手を染めたのは、アスレチックスの主砲としてワールドシリーズを制した89年オフ。スポーツジムで紹介され試した。一時は控えたが、93年の故障を境に「回復を早めてくれると思った」と断続的に使用。微量ながらヒト成長ホルモンも数回使った。当時の大リーグ記録を破る70本塁打を放ち、ソーサ(カブス)と「世紀の本塁打王争い」を繰り広げた98年も使用していた。
 ただ、記録に関しては譲らなかった。薬の効果は、本塁打量産とは無関係と強調し「自分には本塁打を打つ才能が備わっていた。(薬物なしでも70本は)間違いなく打てた。そう信じている」と反論。公聴会で発言を拒んだのは「家族や友人を守るため」と説明した。
 同氏は16日からカ軍のイベントに参加予定で、ファンに直接謝罪する可能性もある。大リーグが薬物使用者に罰則を科すようになったのは04年からだが、今回の告白により数々の功績が色あせたのは確かだ。

 ◆マーク・マグワイア 1963年10月1日、カリフォルニア州生まれの46歳。84年ドラフト1巡目(全体10番目)指名でアスレチックス入団。87年に新人記録となる49本塁打を放って本塁打王に輝き、新人王も受賞。97年7月にトレードでカージナルスへ移籍した。本塁打王を4度、打点王を1度獲得し、通算583本塁打は歴代8位タイ。1メートル95、113キロ。右投げ右打ち。

 <98年の世紀の本塁打王争い>シーズン144試合目の9月7日カブス戦でマリス(元ヤンキース)の持つ当時の大リーグ記録に並ぶ61号アーチを放つと、翌8日の同カードで新記録となる62号。カ軍のソーサも13日ブルワーズ戦で61、62号を連発して一時並ぶなど壮絶なデッドヒートを繰り広げ、全米中にフィーバーを巻き起こした。最終的にはマグワイアが70号で本塁打王。ソーサは66本と4本及ばなかったが、打点王とナ・リーグMVPを獲得した。

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