連敗の危機救ったダル「一世一代の投球でした!」

[ 2009年11月1日 22:53 ]

復帰登板で巨人に勝利し、ファンの声援に応える日本ハムのダルビッシュ

 【日本ハム4―2巨人】左腰の故障で実に1カ月以上も実戦から遠ざかっていた。クライマックスシリーズ中にこの夜先発する方針は固まっていたようだが「まずストライクが入るのかどうか。打者が何を狙っているのか察知する能力も落ちていると思った」。ダルビッシュは投球以前の問題に不安を抱えていた。

 実際に直球の多くは140キロ台中盤。7三振のうち、直球で奪ったのは1個だけ。4回には亀井に速球をとらえられ、ポストシーズンでは初となる一発を浴びた。87球。力でねじ伏せる本来の姿はなかった。
 しかし、そんな中でも試合を組み立てるすべは持っている。左足に負担をかけぬよう踏み込む幅を狭めた。「腰を使わずにただ手だけで投げる」という工夫も施した。
 さらに試合前、昨年の日本シリーズの映像を見た。カーブで巨人を手玉に取った岸(西武)を参考に「これでいこうと思った」。2回無死二塁から亀井、谷をカーブで連続三振。5回2死満塁、小笠原をスライダーで空振り三振に仕留める前にもカーブを挟んで、ピンチを切り抜けた。球威の不足分を緩急で補い「相手が嫌がっていた。有効だった」としてやったりの表情だった。
 6回2失点。チームの本拠地連敗の危機を救った。「今の状態では出来過ぎ以上。一世一代の投球ができた。もちろん最後(第7戦)もいくつもり」。たとえ手負いでも、エースはこの右腕だ。

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2009年11月1日のニュース