松坂WBC投法使える!“3D投法”75球

[ 2009年4月1日 06:00 ]

<ブレーブス・レッドソックス>オープン戦初登板の松坂大輔は5回2失点

 【レッドソックス3―4ブレーブス】これが09年型Dice―K!レッドソックスの松坂大輔投手(28)が30日(日本時間31日)、連覇したWBCからの復帰初戦となったブレーブス戦で5回を投げ2安打2失点。川上憲伸投手(33)との日本人対決で結果以上に手応えを得たのが、15日のWBC2次ラウンド・キューバ戦でも見せた打者の前後左右を使った“3D投法”。5回を75球でまとめ、メジャー3年目での勝負スタイルを確立した。

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 自らに課した課題は明確だった。松坂は「今年のテーマは動く球をうまく使いたいということ。自分が思ったタイミングで投げられたし、シーズンで出せたらいい。楽しかった」と説明した。
 最速は92マイル(約148キロ)。その中で、意図が見えたのは昨季の首位打者でWBC米国代表のC・ジョーンズへの2打席だった。初回2死無走者の場面。カウント2―0から内角にカットボールを2球続けて一ゴロに仕留めた。続く4回。結果は四球となったが、今度は内角でカウント2―0として、外角の出し入れで勝負した。スライダー系とシュートと横の変化を使った配球だ。
 だが、松坂が使うゾーンは左右だけではない。「抜いた直球も試した」。腕の振りを変えず、球速に変化をつけることで「タイミングがずれてファウルになってくれる」という。メジャー過去2年で150キロを超すフォーシームの威力を各球団の打者が知っているから、効果がある。つまり前後の空間も活用した立体的なゾーンだ。
 この投球術はWBCで手応えをつかんでいた。2次ラウンド初戦のキューバ戦。この時も150キロ超えはわずか1球だったが、ボールを動かし、86球で6回を投げきった。昨季、松坂は1試合平均の投球回数は5回2/3しかなかった。「長い回を投げなければ、本当の信頼は得られない。内容を大きく変えたい」と考え抜いてきた投球の形だ。この日、2球目までにストライクを取れなかったのは打者20人に対して1人だけ。5回75球は1回平均15球。先発の交代の目安とされる100球前後で7回を投げきることも可能な数字だ。
 WBC後、モチベーションを高めることに苦慮したが、川上との投げ合いで気持ちも入った。「憲伸さんのゆったりとしたフォームを見て、タイミング、リズムが分かったし、気持ちも高められた。感謝です」。自身の開幕となる4・9レイズ戦へ、あとは「疲れが少しある」と話す体調面を整えるだけだ。
 WBCのMVPで手にしたトロフィーには、名前を刻印してもらっている。「WBCの結果もふまえてあまりみっともない成績は残したくない。1年間ローテーションを崩さずに投げ切りたい」。栄光を色あせないものにするため、松坂はさらなる変化を求めている。

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2009年4月1日のニュース