“WBC後遺症”イチロー めまいで早退

[ 2009年4月1日 06:00 ]

<ブルワーズ・マリナーズ>疲れた表情のイチロー

 【マリナーズ7―9ブルワーズ】マリナーズ・イチロー外野手(35)が30日(日本時間31日)、ブルワーズ戦でめまいなどの体調不良を訴え、2打席で途中交代した。クラブハウスでは肩を落とし気味にして、小さな声で「疲れた。きょうはちょっと…」と質問する報道陣を制した。WBCでの激闘、そして連覇の“代償”。孤高の天才打者も、やはり人の子だった。

 この日はメジャーでは5年ぶりの3番で先発出場。3回1死で右前打を放つと、すぐさま代走と交代して足早にクラブハウスへ引き揚げた。チーム関係者は「WBCの疲れが一気に出たのだと思う」と証言した。
 WBCでは東京ラウンドから全9試合に出場。大きな重圧の中での戦いに加え、自身は長く不振が続いたことでストレスを抱え込んだことは想像に難くない。侍ジャパンで共に戦った城島は「イチさんもきょうはちょっとしんどそうだった」。そして「張りつめていたのが、一段落つくとガクッと体に来る。オレも3日ぐらい前に、もの凄くきつくて…」と自身も“WBC後遺症”に襲われていたと明かした。
 ワカマツ監督は「軽いめまいを覚えたようだ」と説明。試合前に体調不良を訴える本人と話し合い「無理するな」と諭した。しかしイチロー自身が出場を希望。3打席の予定を2打席に変更する形になったという。31日のインディアンズ戦は当初から欠場の予定で、指揮官は「(症状は)深刻ではない」とした。
 WBC日本代表ではヤクルト・青木も帰国後に発熱でダウンした。過去5年間で欠場はわずか2試合と体調管理には定評があるイチローでさえ、肉体への反動は大きかった。3085安打の日本記録にあと2本で臨む開幕戦は6日。残された時間の中で英気を養い、新たに態勢を整える。

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2009年4月1日のニュース