初Vへあと1勝!菊池投げて打って決勝へ

[ 2009年4月1日 18:22 ]

決勝進出を決め腕を突き上げる完投した花巻東・菊池

 【花巻東5―2利府】最後の打者を併殺に打ち取ると、エースは左手人さし指を天に向かって突きあげた。東北勢初優勝へあと1勝。「岩手で育った選手が、岩手に元気を与えて、岩手に帰る」と誓った菊池が、ついに決勝の舞台まで花巻東を導いた。

 立ち上がりは「丁寧にいきすぎてボールが先行した」と言う通り、球が上ずって制球が定まらない。三回は内角を狙った直球が外角の高めに浮き、甲子園で初の失点となる2ランを浴びた。しかし「0―0の時は球数や、次の試合のことを考えすぎていた」と言う左腕が、この失点で目を覚ます。140キロ台の直球が復活。五回の満塁のピンチも、持ち前の強気の投球で切り抜けた。
 1点を追う六回だった。二死満塁で打席には菊池。「失点は自分が四球で出した走者と打たれた本塁打の2点。絶対に自分が取り返す」と気合を入れ、逆転の2点適時打をしぶとく中前に運んだ。八回にはスクイズバントも決めた。
 逆転した六回以降は1安打しか許さなかった。「自分が打ったことでさらに気持ちが乗った」と打者を抑えるたびに派手なガッツポーズも出た。
 東北勢対決を制し、いよいよ最後の一戦へ。佐々木監督は「決勝は菊池にすべてを預けている」とエースに命運を託した。「岩手に優勝旗を持って帰る」と力強く話した菊池が今、快挙の扉を開こうとしている。

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2009年4月1日のニュース