ギネス級観衆興奮!斎藤&岡島競演

[ 2008年3月31日 06:00 ]

<ドジャース・レッドソックス>ブルペンで隣り合わせになる岡島と斎藤

 【ドジャース4-7レッドソックス】世界一の大観衆の前で日本人投手が“競演”した。今季ロサンゼルス移転50周年を迎えたドジャースは29日(日本時間30日)、移転直後の58~61年に本拠だった「ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム」でレッドソックスとのオープン戦を開催。野球観戦の史上最多記録となる11万5300人が見守る中でド軍・斎藤隆投手(38)、レ軍・岡島秀樹投手(32)が登板し、いずれも無失点に抑える好投で歴史に名を刻んだ。

 珍しい光景だった。7回から登板した斎藤は無死一塁からロウリーに左翼へ痛打を許す。打球は左翼に立てられた高さ62フィート(約18・90メートル)の網とフェンスの間に跳ね返ってポトリ。それを拾い上げたのは遊撃手だった。“遊撃内野二塁打”という珍しい安打に斎藤は「50年前に野球をここでやろうとしたのも凄いですけど、まだこうしてやれるなんて」。後続を連続三振に斬って2/3回無失点で開幕前の最終調整を終えた右腕は“変形球場”に思わず目を丸くした。

 過去2度、五輪のメーン会場となったこのスタジアムは、現在は南カリフォルニア大のアメリカンフットボールの本拠。オープン戦開催のためだ円形のフィールドの3分の2を柵で仕切ってグラウンドに見立てたものの、左翼が201フィート(約61・26メートル)と極端に狭く、急造の網がフェンスの上に張られた。さらに、ド軍は中堅手ジョーンズを二塁ベース後方に配置し、外野は左翼手と右翼手の2人でカバー。4回にレ軍エルズベリーの二盗を二塁ベースカバーに入って阻止したジョーンズは「(捕手から)球がきたから捕ってグラブを下に叩き落としただけさ。ノック・ダウンしたよ」と豪快に笑った。
 “珍プレー”続出の試合は本塁打も両軍2本ずつ。打者に有利な球場で、もう1人の日本人・岡島も冷静な投球を見せた。8回に登板して打者3人を空振り三振、中飛、三ゴロに抑える好投。芝の上に特設されたベンチに戻るとナインからハイタッチで迎えられた。
 9万3103人を集めたドジャース―ヤンキースのオープン戦から49年。その記録を上回り、この日の観客数はギネスブックに申請されることになった。スタジアムの聖火台には6回に火がともされ、大観衆はウエーブで“祝福”。斎藤は「凄いこと。記録が塗り替えられないといいですね」と歴史的な試合に感慨深い表情を見せていた。

 ≪黒田複雑…投げたいような、投げたくないような…≫ドジャース・黒田は複雑な思いで試合を見守った。オープン戦最終登板となる30日のレ軍戦の会場はドジャースタジアムだが、登板日を決めたのは黒田自身。首脳陣からはこの日の選択肢も用意されていた。11万人を超える観衆やいびつな形の球場に「ここで投げなくて良かったと思うけど、一生に1度あるかないかの機会。投げてみたい気持ちもあった」と話した。ブルペンでは30日の登板に備え約60球。練習後はレ軍の松坂にスパイクを見せて話し込む場面もあった。

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2008年3月31日のニュース