映画「オッペンハイマー」異例!米国から8カ月遅れで公開 “原爆の父”描いた話題作 日本人はどう見るか

[ 2024年3月30日 05:18 ]

映画「オッペンハイマー」の場面写真(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.
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 「原爆の父」として知られる物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描き、米アカデミー賞で作品賞など7部門を獲得した映画「オッペンハイマー」が29日、全国343の映画館で公開された。米国では昨年夏、同時期に公開された「バービー」とともに大ヒット。「バービー」出演俳優が原爆の爆発をバックに笑うコラボ画像が出回り、日本から批判の声が上がった。

 被爆地の広島と長崎では公開前、高校生らを対象とした試写会が開催された。広島では、部員数が日本一多い崇徳高校の新聞部員も観賞。この日、本紙の取材に応じ、2年生の大石哲平さんは「アカデミー賞を受賞したこともあり、世界の人に原爆について考えてもらえるのではないか」と話した。

 日本では米国から8カ月以上遅れての公開。映画関係者は「最近では珍しい。原爆投下後の被害の直接的な描写がないことが議論になっていた」と指摘。1年生の州浜侑(あつむ)さんは、自身の留学経験を踏まえ「海外では原爆の悲惨さが知られていない。(被害の状況が)描かれていればより恐ろしさが伝わると思う」と語った。

 一方、公開初日に都内で観賞した50代の女性は「主人公に感情移入してしまい原爆の完成を祈ってしまっている自分がいた」と感想。40代の男性は「原爆投下が成功し歓声が上がったシーンでは感じるものがあったが、それも当時のリアルなんだと思った」と話した。

 米アカデミー賞では、宮崎駿監督(83)の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞、核の恐怖の象徴でもあるゴジラの最新作「ゴジラ―1.0」が視覚効果賞を受賞した。この日、都内では「原爆の背景や歴史を学ぶという意味では今の日本人にこそ見てほしい」という意見もあった。世界各国で大ヒットした「オッペンハイマー」。日本人の目にはどのように映るのだろうか。

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