パリで4月4日から「森田芳光70祭(ななじゅっさい)2024」開催 23作品がラインアップ

[ 2024年3月28日 19:00 ]

「の・ようなもの」の一場面。秋吉久美子と伊藤克信(C)1981N.E.W.S.CORPORATION
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 昨年に続き、フランス・パリの日本文化会館大ホールで4月4日から「森田芳光70祭(ななじゅっさい)2024」が開催されることが決まった。パリ五輪開幕前の6月29日までのスケジュールが組まれ、仏南西部のトゥールーズでも4月5日から同7日まで「家族ゲーム」「それから」など5作品が上映される。

 2011年12月20日に61歳の若さで亡くなった森田監督。生誕70年(20年)と没後10年(21年)を合体させて始動したのが「70祭」で、21年に、ほぼすべての監督作品をブルーレイ化した「全監督作品コンプリート(の・ようなもの)ボックスセット」や記念本「森田芳光全映画」が発売され、ゆかりの劇場での上映会が実施された。

 コロナ禍で延期になっていたパリでのレトロスペクティブ上映会も23年4月から9月にかけて実施され、連日満員の盛況で幕を閉じた。今回は待望の第2弾で、商業デビュー作「の・ようなもの」(1981年)や「椿三十郎」(07年)などフランス初上映となる14作品を含む23作品がラインアップされた。

 森田作品のプロデューサーでパートナーだった三沢和子さんと、「森田芳光全映画」の編著者であるラッパーでラジオパーソナリティーとしても活躍するライムスター宇多丸が渡仏し、トークイベントに登壇。熱心なファンを前に撮影時のエピソードなど秘話を明かす予定だ。

 三沢さんは22年12月の米ニューヨーク(リンカーン・センター)を皮切りに23年のパリ、韓国ソウル、台湾高雄映画祭と、世界4都市を巡回して好評を得た特集上映を振り返り、「特筆すべきは、どの地域においてもかなりの割合を占める若年層の支持が圧倒的に多く、SNSでの書き込みやリピーター来場者が増えていることです。『新鮮』、『衝撃的』という初めて森田作品に触れたであろう方々の感想が寄せられたことは大変心強く、今後も国内外で森田作品の上映活動を続けて行きたいと思っております」と手応えを実感。その上で「今年は宇多丸さんもご一緒にパリの皆様に再びお会い出来ること、そして学生の多い街トゥールーズでの反応も大変楽しみです。4月のパリから始まる『森田芳光70祭2024』を応援して頂けると幸いです」とコメントを寄せた。

 宇多丸も「森田芳光の真価と面白さ、今度はなんと映画史研究大国フランスで、語り尽くす機会をいただいてしまいました! さしずめ『森田芳光全映画』のパリ遠征版といったところですが、今回の上映用に、改めて海外向けの作品解説も、12本ぶん書き下ろしております。さてどんな反応が返ってくるのか……めちゃくちゃ楽しみです!」と意欲満々だ。

 森田作品の特集は夏と12月に東京・池袋の新文芸坐、秋に大阪・シネ・ヌーヴォと国内でも開催の運びだ。

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