ソフトB中村晃がマルチ安打で2打点「できるバッティングをやるだけ」 一塁の競争激化

[ 2024年2月26日 06:00 ]

練習試合   ソフトバンク6ー1韓国斗山 ( 2024年2月25日    アイビー )

<ソフトバンク・韓国斗山>5回、適時打を放つ中村晃(撮影・成瀬 徹)
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 一塁のレギュラー争いが激化――。ソフトバンクの中村晃外野手(34)が25日、韓国・斗山との練習試合に「5番・一塁」でスタメン出場。今季の対外試合初先発でタイムリー2本と持ち前の巧打を発揮した。新戦力でライバルの山川穂高内野手(32)は24日の台湾・楽天戦で2ランと自慢の長打力を示したが、中村晃はいずれも2死二塁の場面で適時打。粘りと勝負強さで対抗した。

 ライバルの山川が長打なら、中村晃は巧打で魅了した。対外試合初スタメンで渋く単打2本。いずれもタイムリーで2安打2打点と存在感を示した。

 「あんなホームランは僕には打てませんのでね。できるバッティングをやるだけですから」

 初回の第1打席から技を見せた。2死二塁で初球ストライクを見逃し、一塁走者・井上が二盗に成功。カウント1―2と追い込まれたが、外角球を呼び込んで左前に運んだ。「追い込まれた中でもしっかりと対応できたと思う」。3回1死二塁では左飛に倒れたが、この日の最終第3打席ではきっちりと仕事した。

 3点リードの5回2死二塁、カウント1―1からファーストスイング。強い当たりに二塁手は届かず、中前へゴロが転がった。「ああいうところで一本が打てるのは大事」と少しだけ自賛した。

 前日24日の台湾・楽天戦はベンチスタートで、一塁のレギュラーを争う山川が4番で派手な一発を放った。ただ、プロ17年目のベテランは冷静に自分の役目を把握している。「ポジションは一緒ですけどプレースタイルは違う。刺激し合っていけばいい」と余裕すら感じさせた。

 小久保監督は今季のテーマとして「三振率40%以内」をテーマに掲げる。中村晃の勝負強さと粘りはまさに理想型だ。指揮官は「晃が得意な“追い込まれても何とか”を続けてもらいたい。晃はこの立場でずっとしぶとく生きている。彼の良さを出せばいいんです」と“らしさ”を称えた。

 補強で毎年のようにライバルが出現しながら第一線で戦い続けてきた。「つなぐ、還す、出る、つくる。何でもしないといけない。そうやってやってきたので、考えてまたアピールしていきます。試合は内容よりも結果なので」。中村晃には常にチームのための打撃を考えているという矜持(きょうじ)がある。だから、この男はチームに欠かせない。 (井上 満夫)

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