阪神の新助っ投・ゲラ、初登板で見事なけん制刺殺「本能だ」 岡田監督も開幕1軍に太鼓判

[ 2024年2月26日 05:15 ]

オープン戦   阪神1―4中日 ( 2024年2月25日    北谷 )

<中・神>1回無失点と好投したゲラ(撮影・北條 貴史)
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 阪神の新外国人、ハビー・ゲラ投手(28=レイズ)が25日、中日とのオープン戦(北谷)で実戦デビューを果たした。4回から2番手として登板。最速153キロの直球を軸に予定の1回を無安打無失点に抑えた。1死一塁の場面では巧みなけん制球で一走・宇佐見を刺すなど、元内野手としての片りんも見せつけた。今春初登板ながら岡田彰布監督(66)も高評価し、早くも開幕1軍に内定。チームは1―4で敗れ、オープン戦開幕から3連敗を喫した。

 沖縄の日中にしては肌寒い気温16度、最大10メートルの強風が吹いたコンディションでも、ゲラは半袖姿でさっそうとマウンドへ向かった。4回から登板して1回を無安打無失点。全12球のうち5球投じた直球は全て150キロを超えた。三振も狙い通りに奪い、デビュー戦を完璧な“3人斬り”で終えた。

 「ちょっと寒かったけど、いい投球ができてよかった。現段階では100%と言える状態だ」

 先頭の宇佐見にフルカウントから四球を与えると、即座にギアを入れた。続く木下には外角低めに制球したスライダーと直球の2球で簡単に追い込んだ。「狙っていた?はい。100%」。狙い通り最後は三たび外角低めに投じたスライダーで空振り三振。その直後には、もう一つの武器を初披露した。

 「アウトにできるなと思った。本能だ」

 セットポジションに入る直前、素早いけん制球でリードを取っていた一走・宇佐見を刺した。元遊撃手としてMLBの世界を経験したほど潜在能力の高い右腕。フリー打撃に初登板した19日には最速157キロも計測した。救援投手として活躍する上で大事な要素であるフィールディング能力の高さを“初陣”から発揮した。

 2死からは山本を2球で追い込み、最後は外角低めのスライダーで右飛に仕留めてお役御免。前評判通り制球力の良さも誇示し、7球投じた変化球は全て低めに集めた。岡田監督は、当然の口ぶりで新助っ人を評価した。

 「最初(開幕)から(1軍に)入れる選手。そんなん、うまく開幕にな、合わせられるように、こっちはやるだけやから」

 開幕1軍に一発合格だ。以前に指揮官は「後ろの方で十分(使える)」と話していたように勝ちパターンの一角も担える存在と位置づけているからこそ、けん制については「あんなん見せんでええのに」と異例の注文まで飛び出すほどだった。

 来日からまだ約1カ月。それでも取材中に「ソウデスネ。アリガトウゴザイマス」と流ちょうな日本語を披露し大好物の「タンタンメン、スバラシイ!」と周囲を笑わせた。一方で最速164キロ右腕は「毎日一つ、一つを大切にして、開幕まで準備していきたい」と先も見据えていた。試運転ながら三振もけん制も狙い通りに決めた。一発で仕留める技も兼ね備える“剛腕スナイパー”が球団初となるセ・リーグ連覇への新たなピースとなる。(石崎 祥平)

 ◇ハビー・ゲラ 1995年9月25日生まれ、パナマ出身の28歳。12年7月にレッドソックスと契約。当時は遊撃手。パドレス在籍の18年5月にメジャーデビュー。19年開幕前に投手へ転向し延べ4球団でメジャー通算61試合3勝1敗、防御率6・43。23年はブルワーズとレイズでプレー。23年WBCパナマ代表。1メートル83、86キロ。右投げ左打ち。

 ▼阪神・坂本(新外国人のゲラについて)先頭の四球は、たぶん足(歩幅)が合わなかったんでしょう。その後はボールの高さとかコントロールもよかった。球が速いと相手も意識するでしょうし、スライダーは効果的だとは思います(打っては2回に先制の左前打)。

 ▼巨人・中里篤史スコアラー 軽く投げている割に球が速い。けん制でアウトを取るとか、野手出身で細かいところも上手。あとは球の精度とか組み立てとかを、開幕までに見ていかないといけない。

 ▼広島・比嘉寿光編成部編成課長 制球がいい。もっともっとスピードは上がってくる。ランナーを出しても(本人は)嫌そうじゃない。クイックができないとかフィールディングができないとかもなさそうだ。

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