【オリックス担当記者レポート】キャンプに垣間見るV3チームの強さ 栗山英樹氏もうなった意思統一

[ 2024年2月10日 07:00 ]

<オリックス宮崎キャンプ>オリックスキャンプを訪れ、中嶋監督と話す栗山英樹氏(左)(撮影・井垣 忠夫)
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 昨年までの阪神担当から1月にオリックス担当に変わり、春季キャンプ序盤を取材してきた。広大な宮崎・清武総合運動公園の施設を生かしたキャンプでの選手らの動きに、3連覇したチームの強さを垣間見た。

 AグループとBグループの割り振りに従来の1、2軍の意味合いは少なく(練習メニューによって選手の入れ替えも頻繁)、コーチ陣も一人一人がメニューごとに指導場所を転々。7日に視察に訪れた日本ハム・栗山英樹CBOは「全ての選手とコーチの兼ね合い、距離感とかがしっかりできていて、監督の意図がそこにあると思うし、なるほどなと思いました」とチーム全体の意思統一にうなっていた。

 Bグループには新人全12選手と実績十分の選手らが入り交じり、まだ右も左も分からないルーキーたちに先輩選手が惜しげもなく声をかける姿が印象的だ。例えば、高校生投手の河内らには比嘉と平野佳のベテランコンビがサインプレーや投内連係などの細かな動きをレクチャー。比嘉は当然のこととした。

 「首脳陣が自主性に任せてくれるけど、サインプレーなどの決まりごとをしっかりやるところは徹底されている。18歳の子たちには初めて聞く言葉や動きもある。伝えながら」

 ドラフト3位左腕・東松はキャンプ初日に同じ左腕の田嶋に頼んでキャッチボールした。「スゴく優しく“キャンプ、ずっとやろうぜ”と言っていただいた。スゴくありがたい」と満面の笑み。誘われた田嶋は「来るもの拒まずタイプなんで。今年はそういう子がチラチラと来てくれるので、そこは惜しみなく」とこれまでの経験談を余すことなく伝えていた。

 高校生だけではなく、ドラフト5位・高島、同6位・古田島、同7位・権田ら社会人出身組にとっては同じ社会人から入団4年目の阿部が格好の手本だ。「もうおじさんなんで」と31歳右腕はおどけつつ、「自分がやってきたことを教えられる範囲は教えてあげたい。(年齢が)上の方が少ない。そういうのもやっていきたい」と心意気を示した。

 宮城や紅林、山下らいきのいい若手だけでなく、練習から雰囲気を含めた環境づくりや助言を惜しまない中堅、ベテランたちの存在感も際立つ。リーグ4連覇の大目標に向けてチーム全体が同じ方向を向いている…とキャンプ序盤から感じた。(阪井 日向)

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