ドジャース・大谷　いよいよキャンプイン！「これまでで最高のチーム」因縁カーショーも歓迎

練習を終え施設を後にする大谷（撮影・白鳥　佳樹）
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　ドジャースの大谷翔平投手（29）が9日（日本時間10日）、バッテリー組でキャンプを開始する。集合日だった8日（同9日）はキャンプ施設に3日ぶりに姿を現し、トレーニングを行うなど約5時間滞在。早くも日米韓65人の報道陣が集結する注目度の高さを、再契約が報じられた「最強左腕」と呼ばれる通算210勝のクレイトン・カーショー投手（35）が歓迎し、チームへの好影響を期待した。

　クラブハウスから姿を現し、待ち受けた報道陣を見つけ、いたずらっぽく笑った。午後3時9分。グレーのブルゾンに、帽子を浅くかぶった大谷は指をさしながら「立ち入り禁止！」と3度連呼した。リラックスした表情のまま、水原一平通訳が運転する真っ白なポルシェの助手席に座り、キャンプ施設を後にした。

　キャンプイン前日にもかかわらず、メディアは大挙、施設前に集結した。日の出前の午前6時前から日本メディアが集まり始め、その後は米メディアだけでなく、3月20、21日にパドレスとの開幕シリーズが行われる韓国メディアも姿を見せ計65人に上った。スポーツ界史上最高の10年総額7億ドル（決定時約1015億円）で加入した大谷の注目度はNo・1。大谷は午前10時過ぎに施設に入り、身体検査の他、午後からはバットを持って室内練習場で30分間、3日のファン感謝イベントで「ほぼ100％」と語った打撃練習に励んだとみられる。

　メディアの過熱ぶりに驚きつつも、チームへの好影響を口にしたのが、サイ・ヤング賞に3度輝いた35歳の左腕カーショー。大谷とも言葉を交わしたといい「全ての関心は24/7（twenty―four　seven）にわたって翔平に注がれる。彼はそれに対応できるだけの頭脳の持ち主。他の選手に好影響を与えると思う」と「24時間、週7日ずっと」というスラングの「24/7」という表現で、注目の高さを表現した。自身は昨年11月に左肩手術を受け復帰は夏場になる見込みだが「正直、このオフ（の補強）は見ていても凄かった。（今季のチームは）これまでで最高のタレント」と大谷を筆頭に、最速101マイル（約163キロ）右腕のグラスノー、メジャー通算159発のヘルナンデスが加わった最強軍団結成を喜んだ。

　大谷は元々、花巻東時代からカーショーのファン。大リーグ移籍前に各球団と面談を重ねた17年12月には、ド軍との交渉の席にカーショーも同席した縁もある。4人の子供のパパでもある左腕は「彼らはムーキー（ベッツ）のファン」としつつ「これから“翔平トレイン”に乗せる（＝大谷のファンになるだろう）」と笑顔で言い放った。

　待ちに待った「ドジャース・大谷」の始動。4年ぶりの世界一を目指す大谷のメジャー第2章が、いよいよ幕を開ける。（柳原　直之）

　▽大谷とカーショー　大谷はメジャー移籍を目指した17年12月にロサンゼルスで2日間、移籍先候補7球団と面談。ドジャースはテキサス州ダラス在住のカーショーがわざわざ駆けつけて口説いたが、実らなかった。翌18年のオープン戦初対戦後は「幸運を祈る」と言葉少なな態度がさまざまな臆測を呼んだ。公式戦では8打数無安打。22年の球宴で中前打も、直後のけん制でアウトになった。

　≪開幕戦　地上波で生中継≫ドジャースとパドレスが3月20、21日に韓国・ソウルの高尺スカイドームで対戦する開幕シリーズが、いずれも地上波で生中継されることが決まった。NHKは20日の第1戦（午後7時5分開始）を総合で、21日の第2戦（同）はBSで中継する。また、テレビ朝日は21日の第2戦を生中継すると発表。直前に韓国代表などと行うド軍の親善試合も2試合中継する。