【阪神・青柳インタビュー(1)】右腕が目指す「鉄のエース」 能見篤史氏からポーカーフェイスの極意学ぶ

[ 2024年2月10日 05:15 ]

能見氏(左)と腕を組み、相合い傘をする阪神・青柳(撮影・須田 麻祐子)
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 阪神・青柳晃洋投手(30)が9日、OBで本紙評論家の能見篤史氏(44)と対談し“鉄のエース”を目指すことを誓った。現役時代はマウンド上で感情を表に出さなかった同氏からポーカーフェースの極意を聞き出し、進化に自信を見せた。(取材・構成=遠藤 礼)

 能見 昨年の開幕戦はテレビ解説をしていて、ボールの質も強かったし、さすがだなと。真っすぐの出力がこれだけ出ていたら大丈夫と思っていたら(以降は)いきなり…どうしたのって。

 青柳 さーっと落ちていきましたね。

 能見 その後、球場に行った時も梅野、坂本に「ヤギ(青柳)どうしたの?」って聞いたり。ちょっと落ちても力で抑えられる直球を持ってるのに、ツーシームばっかりだったから。

 青柳 開幕戦はテンションが上がっていて、めちゃくちゃ状態も良かったんですよ。初めての開幕投手で、その前年はコロナ感染で逃して。そこにピークをもっていきすぎて…。ちょっとずつフォームがずれた時に、カウントを悪くすることが多くて。そこで四球だったり、甘いボールをヒットにされたり。

 能見 打者も良い時のツーシームの変化をイメージして立っているから。全然変化しない、弱いボールをコンタクトされてヒットにされていることが多かった。

 青柳 初回からカンカンカンカンいかれてどうしようとなって。

 能見 今年に関しては過去にタイトルも獲っているし、数字は気にしないと思う。それだけ周りも認めてる投手なのは間違いない。個人的に期待するのは数字以外の部分。姿勢もそうだし、立ち居振る舞いとか。

 青柳 ずっと見ていて、能見さんは一生“能見さん”じゃないですか。打たれても、抑えても、能見さん。一喜一憂しない。たまに悔しそうなロッカー見たことありますけど…。あれをできるのがスゴいなと。なんでできるんですか?

 能見 後ろの野手は見てるからね。6、7回に先制点を許したとして、ガックリした姿を見た時に、「試合終わってないのに1点取られてなんでそんなに落胆するの」って。野手に、もう負けたと思っていると捉えられたら嫌。内心はとんでもなく沸いているけど。悔しいのは全然いい。

 青柳 そこが難しいです。点取られたら誰でもイラッとしたり悔しい。味方のエラーは許せるけど、自分が良い時に打者が上回ったら、やっぱり悔しいと思っちゃうんで。それを許せる時と、許せない時がある。

 能見 許さなくていいけど、試合の中では受け入れたらいい。背負う気持ちは分かるけど、ガックリするのは試合が終わってからでいい。

 青柳 理想は僕も能見さんのように感情は出したくない。打たれても抑えても、そのままで帰ってくるのが理想。僕も受け入れます。

 能見 昨年のことはあまり気にする必要はない。まだまだ、落ちていく選手でもないし、姿勢を大事にしながら、それを試合の中で出してくれるだけで下の世代の選手は勉強になる。

 青柳 2年ダメならヤバいと思っていますけど、能見さんと話して、自分で気付けたことを大事にしていきたいと思いました。

 能見 大丈夫。

 青柳 はい、今年は大丈夫です!

 (2)に続く

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