侍・栗山監督 決勝先発マスクに中村起用のワケ 9回登板の大谷とはサインも“ぶっつけ本番”だった

[ 2023年3月27日 16:26 ]

<栗山監督・会見>会見する栗山監督(撮影・尾崎 有希)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、09年の第2回大会以来14年ぶりに世界一に輝いた侍ジャパン・栗山英樹監督(61)が27日、東京都内の日本記者クラブで行われた記者会見に臨んだ。

 今回のメンバーで甲斐(ソフトバンク)、中村(ヤクルト)、大城(巨人)の捕手3人を選出。「最初のイメージとしては、絶対的な守りから入れる甲斐選手の経験と安心感。攻撃も守りも全てバランスのいい中村悠平。攻撃に関して、僕は大城にすごく交流戦とかシリーズでやられているイメージもあったので、その3パターンを入れたかった」と意図を明かし、「結果的には大城選手の出場が少なくなって申し訳なかったですけれど、3人いてくれることで、こちらも思い切って代打を出せるし、思い切って動くことができた」と振り返った。

 決勝の先発マスクを中村に託した理由として「投手が投げやすいっていう感覚的なものを話しながら、バランスよく使っていったということなんですが…最終的に誰がダメとかいいとかではないんですが、アメリカ行って、メキシコとアメリカの選手たちの攻撃力を見ていると全員メジャー。ある程度こっちが0点で逃げ切るのは難しいと。決勝は2失点で終われましたけど、最終的には2、3(失)点は覚悟しないと勝てないというイメージの中で攻撃力も足したいというので中村悠平からいってるっていうのはあるんですね」と述べた。

 また「悠平の場合って、ここ数年の日本シリーズの中で、一気に成長した。シリーズ見ていて、いろんな幅を感じた。そういうことを含めて甲斐の絶対的なジャパンの経験というのもありますし。僕はファイターズの監督時代、甲斐がキャッチャーやってるからサイン変えなきゃいけないと思ったこともあったし…どの特徴を使うかっていうのが最終的な判断だった」とした。

 「最後の試合も…」と苦笑しながら、「試合中にだいたい僕はこういうパターンで勝つならやりたいというのがあるんですけど、(大谷)翔平から悠平とサイン交換してないっていうのを聞いて。コーチに試合の合間にうまくそれだけやっといてって。だいたいわかってたんですけど。もともと大谷翔平ってブルペンで思い切り投げないタイプなんで。ブルペンで捕ってても、本物を捕っていない可能性がある。あのレベルの捕手ならなんとかやってくれると信じていた。だけど、毎回僕も投手変えるし、悠平も大変だったと思う。翔平も打席あるし。結局、登板までその機会がなかったみたいで。それでもあの流れで言うと、捕手変える怖さはあったんでそのままいきましたけど…」と打ち明けた。

 これは中村も帰国後「僕自身、ブルペンでも一度も受けた事なかった」と回想。大谷が先発した1次ラウンド・中国戦、準々決勝・イタリア戦は、いずれもバッテリーを組んだのは甲斐で「ベンチで甲斐選手と話して、マウンド上でサインの打ち合わせをしっかりして…」と“ぶっつけ本番”だったことを明かしていた。

 「実は捕手のところは、表に出てこないですけれど、3人がバランスよくやってくれたというのが世界一につながったのは間違いない。でも、勘違いしてほしくないのは、最後出ていた人がすごいということじゃなくて、3人のバランスがよかったのでそれができた」と感謝した。

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