伸ばした「大谷の1インチ」 長尺34.5インチの世界一バットで本塁打王へ 規格外の量産態勢

[ 2023年3月27日 02:30 ]

WBCでも使用した新バットで今シーズンに臨む大谷
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 WBCで侍ジャパンを3大会14年ぶりの世界一に導いたエンゼルス・大谷翔平投手(28)が、現在使用しているバットの仕様が25日(日本時間26日)、判明した。昨季よりも1インチ(約2・54センチ)長くし、現役の日本選手では極めて異例の長さである34・5インチ(約87・6センチ)。素材は硬く反発力のあるメープルを選んだ。WBCでも豪快な打撃を披露した新バットを手に、エ軍のシーズンでも、さらなる高みを目指す。

 初出場でMVPに輝いたWBCの勢いそのままに、大谷が23年シーズンに突入する。頼もしい「相棒」となるのが、大会中も使用した、昨季よりも1インチ長くしたバットだ。

 このオフから米国のメーカー、チャンドラー社製のバットを使用。現在は昨季使用していた33・5インチ(約85・1センチ)、32オンス(約907グラム)から重さは変えず、1インチ伸ばした34・5インチで打っている。同社製バットをNPB選手に提供している「エスアールエス」の宇野誠一社長は、「現役の日本人選手で34・5インチは、かなり珍しい。落合(博満)選手や中村(紀洋)選手くらいしか思い浮かばない。まさに規格外」と話した。長くなるほどバットコントロールが難しくなるが、しっかり操れば遠心力が増し、飛距離アップにつながる。

 さらに、チャンドラー社製バットの特徴は硬さ。硬く反発力が強いメープル(カエデ)材が中心で、軟らかめのアオダモやホワイトアッシュなどでしなりを重視する日本選手と異なり、大リーグの強打者に好まれる。ヤンキースのジャッジは同社製の35インチ(約88・9センチ)のバットで昨季ア・リーグ新記録の62本塁打をマークした。日本球界ではDeNAのオースティンら外国人選手が使用。フィジカルの状態を「今までの中でも一番」と語る大谷が、そのパワーを、より長く、より硬いバットでフルに生かす。

 今春キャンプでは新バットについて「“打感”は硬め。自分に振りやすいように変化させた感じ。心地よくスイングできるかが一番大事」と語った。侍ジャパン合流2日目となった4日のバンテリンドームでの練習では、5階席へ推定飛距離160メートルの柵越え。WBCでは12日のオーストラリア戦(東京ドーム)で自身の看板広告に当てる140メートル弾を放った。21年は2本差の46本塁打でタイトルを逃した大谷に、さらなる量産が期待される。

 この日、キャンプ地アリゾナ州でのオープン戦最終戦に臨んだチームより一足先に、本拠地アナハイム入り。26日(日本時間27日)にはドジャースとの「フリーウエー・シリーズ」に敵地ドジャースタジアムでDHとして出場予定だ。相手先発は昨年のオールスター戦以来の対決となるカーショー。負傷歴を理由に米国代表としてのWBCへの出場断念を余儀なくされたメジャー通算197勝左腕に、新バットで挑む。

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2023年3月27日のニュース