防御率を劇的に改善 DeNA投手陣が意識した「ゾーン勝負」

[ 2023年1月8日 08:00 ]

三浦監督と話す斎藤コーチ(左)
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 三浦大輔監督就任初年度の21年は、最下位に沈んだDeNA。昨季は2位に浮上し、盛り返した。その主因に挙げられるのが、投手陣の立て直し。21年は12球団唯一の4点台となる4・15でリーグワーストも、22年は同3位の3・48に好転した。ちなみに3・48を上回るとなると、球団では73年の3・30までさかのぼる。

 昨季、シーズンを通して指揮官以下、斎藤チーフ投手コーチ、木塚投手コーチが投手陣に叩き込んだのが、21年は意識できなかった「(ストライク)ゾーン勝負」。打者から逃げない投球。そのことで四球を防ぎ、失点につながる無駄な出塁を抑え込んだ。事実、四球は461→408、失点は624→534に減少している。

 カウント別の四球は、3―0からが98→64。3―1が140→127。3―2が203→193に。特に3―0から簡単に「ストレートの四球」を与えない意識が改善された。

 四球を与えない強気の勝負が、被安打数も変化させた。21年は1237でリーグワーストも、22年は1171で同3位。ゾーン勝負の徹底が、単純にストライクを投じるだけではなく、「抑えてやる」という自信に転じたことが判断できる。

 今永、大貫、浜口、石田、山崎、エスコバー、伊勢、入江と、先発、救援で昨季存在感を示した投手は多い。加えて今季は、1軍初登板を視野に入れる高卒2年目の小園を筆頭に、若手投手陣にも期待は大きい。

 「ゾーン勝負」が、DeNA投手陣を好転させた。一度手応えをつかめば、投手陣が21年の状態に逆戻りすることは考えづらい。不安があるとすれば故障だが、この時期は「皮算用」が楽しい。明るい材料だけを拾い上げ、25年ぶり日本一を遂げる根拠を探し続ける日々を今は送っている。(記者コラム・大木穂高)

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2023年1月8日のニュース