楽天・マー君 ダルビッシュとWBC14年ぶり共闘熱望 契約更改では9億円から4億2500万円ダウン

[ 2023年1月8日 05:30 ]

契約更改後にオンラインで取材に応じる楽天・田中将
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 楽天・田中将大投手(34)が7日、契約更改交渉に臨み、NPB日本選手最高年俸だった出来高を含む9億円からほぼ半額の年俸4億7500万円プラス出来高払いでサインした。雪辱の今季へ、あと10勝に迫った日米通算200勝、13年以来の日本一達成とともに、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場を改めて熱望。尊敬するパドレス・ダルビッシュ有投手(36)との共闘への思いを口にした。

 厳しい現実を受け止めた上で、視線は前に向いている。田中将は総額で約半減にもなる大幅減俸に「(21年は)4勝、(昨年は)9勝。球団の期待には届いていないし、ファンの方々の期待を裏切ってしまって物凄くふがいない」と偽らざる心境を吐露。だが、このまま終わるつもりはない。

 巻き返しに向けて「この2年間と同じようにやっていても同じようにしかならない。大きく変えてやっていく」と強調。大きなモチベーションとなっているのが、WBC出場への強い思いだった。「候補には残っているので、自分としては選ばれたい」と侍ジャパンの1次登録50人に選ばれていることを明かした。その上で改めて「どんな役割でも自分のベストを尽くしたいので、呼ばれてもいいように良い準備をしている」と強い意欲を示し、3月9日の日本の初戦を念頭に調整を続けている。

 6日に先行発表された侍ジャパンメンバー12人。ずっと背中を追いかけてきた兄貴分の名前があった。「素晴らしい選手がたくさん選ばれている。でも、僕の中ではダルビッシュさんの存在が一番大きい。若い時からそういう存在なので」。世界一に輝いた09年の第2回WBC以来、14年ぶりとなる共闘を熱望している。

 対戦国のメンバーも続々と発表され、大舞台へのイメージは日に日に大きくなっている。7年間、ヤンキースでプレーした経験から米国代表については「間違いなくこれまでのWBCに出てきたチームよりワンランク上の選手が集まっている印象」と語った。最終メンバーは1月下旬に発表される。「チームの駒としてどこでもやる気持ちでいる。チームに貢献したい」。ダルビッシュとともに日の丸を背負う自分を想像しながら“世界仕様”の調整を続ける。(重光 晋太郎)

 ▽侍ジャパンでのダルビッシュ&田中将 ともにプレーしたのは、08年の北京五輪、09年の第2回WBCの2大会。4位に終わった北京五輪ではダルビッシュが、初戦のキューバ戦に先発し4回0/3を4失点で黒星発進すると、その後、丸刈り姿で球場に登場。翌日には田中将も「僕も道連れにされました」と丸刈り姿になっていた。連覇を果たした第2回WBCではダルビッシュは当初、松坂、岩隈らと「先発3本柱」に指名されたが、準決勝と決勝では抑えとして登板。計13イニングを投げ2勝1敗、防御率2・08。最年少で選出されチームメートから「まさお」の愛称をつけられた田中将は、4試合計2回1/3を投げ0勝0敗、防御率3・86だった。

 ≪史上2位の大幅減額≫田中将は20年オフにヤンキースから楽天に復帰。同年8億円で更改した菅野(巨)を上回るプロ野球歴代最高年俸の出来高払いを含む9億円で2年契約を結んだ。その総額9億円を基準にした4億2500万円減は、15年オフの杉内(巨)の4億5000万円減に次ぐ史上2番目の大幅減額となるが、球団は年俸ベースでは減額制限(1億円超は40%)を超えていないと説明した。田中将が4億7500万円で更改したことで、今季の日本選手最高年俸は山本(オ)の6億5000万円。田中将は浅村(楽)、菅野(巨)、山田(ヤ)の各5億円に次ぐ9位となった。

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