阪神の年男・佐藤輝 今季の目標は「アレ本」 球団最速3年目30発「跳び越えていきたい」

[ 2023年1月8日 05:15 ]

ガッツポーズで新シーズンへ向け意気込む阪神・佐藤輝(撮影・後藤 大輝)
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 年男に幸アレ!阪神・佐藤輝明内野手(23)が7日、奈良県生駒市内の近大グラウンドで自主トレを公開した。卯(う)年生まれの和製大砲は今季の個人目標を「アレ本」と表現。2リーグ制以降では球団最速となる3年目での30本塁打到達をノルマに掲げた上で、それ以上の量産を見据えた。「ウサギのように(課題を)跳び越えていきたい」と飛躍を誓った背番号8。「アレ」への旗頭となる。

 大学の4年間を過ごした思い入れのある場所で、佐藤輝が力強く新年の誓いを立てた。チームの悲願成就へ。個人目標でも今や猛虎の合言葉となっている「アレ」を引用した。

 「数字(の目標)はアレです、アレ本。今まで最高は(1年目の)24本なので、30本は絶対打ちたい」

 「アレ」につながる本数すなわち「アレ本」。阪神では2リーグ制以降、3年目までに30本塁打に到達した選手はいない。そこをノルマに掲げた上で「30本、40本、50本、60本、100本くらい打ちたい」と先の量産まで見据えた。「全部出て、またそこで見える景色があると思う」と掲げる全試合フルイニング出場を達成すればおのずと「アレ本」到達、そして「アレ」が視界に入ってくるはずだ。

 目標達成への準備も着々と進めている。

 (1)スケールアップ シーズン中に抱えた左膝痛の影響があった1年目オフは練習量を制限も、今年は万全。ウエートトレーニングの量を増やし、すでにオフに入ってから体重2~3キロ増に成功した。「もうちょっと筋肉を増やしていきたい。去年はちょっと甘えていた部分もあるので今年はしっかりやろうかなと」。飛距離アップの原動力となる筋骨隆々の“超人ボディー”を追い求める。

 (2)新相棒 ブランドアンバサダーを務めるミズノ社の協力のもと、23年仕様の相棒を選定中。「形を変えたり、いろいろ試している段階。思った通りに操れるバットを探しています」。春季キャンプ中も試行錯誤し、数種類の中から最適の一本を選び抜く。

 (3)新フォーム この日の室内フリー打撃に臨んだフォームは、従来よりも膝を曲げて重心を落とし、シーズン中は耳付近にあったバットのグリップ位置も顔の横付近になっていた。「去年とは体の使い方を変えてやっていきたい。そういうこと(昨秋キャンプで受けた岡田監督の指導)も頭に入れてやっています」。23年型フォームを体に落とし込んでいる最中だ。

 「シーズン入ってきたらハードルが出てくると思う。それをウサギのように跳び越えていきたいと思います」

 年男らしく、卯年にちなんだフレーズで決意表明した背番号8。今オフに退寮し、独り立ちを果たした和製大砲の飛躍が、岡田阪神には不可欠だ。(阪井 日向)

 《2リーグ制以降の30本塁打 最速は田淵の4年目》○…阪神の生え抜きでシーズン30本塁打以上があるのは藤村富美男、別当薫、田淵幸一、掛布雅之、岡田彰布の5人。最速は別当の入団2年目で、1リーグ時代の49年に39本塁打をマーク。2リーグ制以降の最速は田淵の4年目(72年、34本)で、佐藤輝に更新の期待が懸かる。


 《恩師は厳しい指導願う》○…近大・田中秀昌監督は久しぶりに顔を合わせた教え子について「もう(プロを)2年経験しているから、やっぱり目つきとか言動とかもよくなっている」と、その成長ぶりを物語る立ち居振る舞いに目を細めた。秋季キャンプでユニホームの第1ボタンを留めていたことにも言及し、「岡田監督、平田ヘッドコーチから何らかの形で言われているんじゃないかと。厳しくやったってほしい」と厳格な指導を“お願い”した。

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