ミキハウス・小河内健吾、飛躍の3年目へ「来季は本当に勝負」 苦しみ抜いた今季の経験ムダにはしない

[ 2022年11月15日 07:00 ]

ミキハウスの小河内
Photo By スポニチ

 来季にかける思いは、誰よりも強い。ミキハウス・小河内健吾内野手は爽やかな笑顔を浮かべながら、意気込みを明かしてくれた。

 「これまでの野球人生では、リードオフマンとして出塁率にこだわってやってきました。そういう部分でチームを引っ張っていけたら良いと思います」

 走攻守の三拍子揃った野球センスは、チーム内でも一目置かれる存在だ。50メートル走は5秒9という快足。入社1年目だった21年は三塁の定位置をつかみ取った。16年ぶりに出場した都市対抗では、初戦の東京ガス戦で「2番・三塁」としてスタメンの座をゲット。安打こそなかったが、二つの送りバントを成功させた。
 誰もが飛躍を信じて疑わなかったが、2年目の今季は一転、もがき苦しんだ。

 「今年は良い部分が一つもなかったです。シーズン中は焦ってばかり。毎日打ち込みを続けてもどこを直せば良いのか分からなくなってしまって…。ユニホームを着るだけで、気持ちが滅入ることもありました」

 津商、中京大では広角に打ち分けられるシュアな打撃で、勝利に貢献。入社1年目もこれまで同様のスタイルで結果を残した。ここに、長打力が加われば、さらに凄みは増す。アスリートなら誰もが抱く向上心が、皮肉にも、小河内から持ち味を奪ってしまった。

 「長打を狙って引っ張りにいって、打撃を崩してしまった。元に戻そうとしても、戻らなかったです」

 苦い記憶の糸をたどりながらも、取材中に表情が曇ることはなかった。小河内は言う。

 「最後まで腐らず、やりきることはできたと思います」

 ひた向きに、野球と向き合う姿に、周囲も助言を惜しまなかった。元楽天、阪神の松崎伸吾投手コーチからは「結果が出なくても、好きな野球を心から楽しめ」と声をかけてもらった。大西友也主将からは「試合に出るためにはどうすれば良いか、考えてみ」と諭された。脇山真治野手コーチとは来季に向け、ポイントを近づけ右方向へ強い打球を打つための取り組みを継続している。

 「今年の経験を無駄にしてはアカンと思っています。1年目は注目してもらって、2年目はどん底を味わって、両方を経験することができた。長く野球を続けるためにも、3年は本当に勝負だと思っています」

 都市対抗の近畿2次予選はわずか1打席に終わったが、本戦の2回戦・ENEOS戦では復調を買われ、途中出場ながら2打席に立てた。今オフからは寮長に就任。「役職も与えてもらったので、より自覚を持たないといけません」。チームとしての来季目標は、都市対抗&日本選手権への本戦出場。悲願達成へ、小河内の躍進は欠かせない。

続きを表示

2022年11月15日のニュース