ヤクルト・村上、「メジャー挑戦したい」 移籍実現は3年後?岩村、青木と同じ方式なら…

[ 2022年11月15日 05:30 ]

会見で笑顔を見せる村上(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が14日、東京都内の日本記者クラブで記者会見に臨み、米大リーグ挑戦の意思を初めて公言した。海外フリーエージェント(FA)権の取得は、最短で27年シーズン後。球団では過去に岩村明憲、青木宣親が海外FA取得2年前に、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍した。早ければ大リーグの海外選手獲得ルールにも抵触しない、25歳で迎える3年後の25年シーズン終了後にも――。村神様が大志を胸に海を渡る姿が、そう遠くない将来に見られるか。 

 最高峰の舞台への思いをきっぱりと言った。約140人の報道陣が集まった会見。スーツ姿で現れた村上は、メジャー挑戦への気持ちを初めて口にした。

 「アメリカでプレーする権利を得るのは限られた選手。もちろん挑戦したい思いはあります。入団時から、そういうところに挑戦できる権利を得られたら、先の舞台に行きたい思いはありました」

 堂々と胸を張って言葉にした。海外FA権取得は、最短でも27年シーズン後。「何歳になるか分からないけど、早ければ早いほどいいと思っている。そこは球団との話になりますけど、行けるのであれば早く行きたい」と早期挑戦への願いも隠そうとはしなかった。

 球団では過去にポスティングシステムを利用して石井一久(現楽天GM兼監督)、岩村、青木の3人がメジャー移籍。岩村、青木は海外FA権取得2年前に容認されて渡米した。村上も今後のさらなる活躍次第では、2年前の25年シーズン後にも海外挑戦のゴーサインが出る可能性はある。

 そのタイミングであれば「25歳ルール」もクリアできる。大リーグでは25歳未満の海外選手の獲得に対し、契約総額の上限が決められているが、村上は25年2月に25歳になるため、抵触しない。メジャー挑戦を後押ししてくれる環境が整う。

 日本選手最多の56本塁打、最年少での3冠王。輝かしいシーズンを終えた村上は、意外にも後悔の思いを一つ口にした。「50号を打ったあたりに、王さんに並べるくらい、あと5本打てればいいかなと目標を立ててしまった。自分にもっと期待して60、61本を目標に立てておけば、また違う結果が生まれたのかなと。そこは一つ後悔です」。飽くなき向上心。それこそが源泉であり、海の向こうへ突き動かすものだ。

 今季の活躍で大リーグ公式サイトで特集が組まれるなど、米国野球ファンの注目も集めた。来年3月のWBCでは、エンゼルス・大谷とともに注目選手とされている。「世界一を獲りたい。チームを勝たせられる活躍をしたい」と侍ジャパン4番の自覚は十分。シーズンでは日本記録60号への再挑戦、さらに2年連続の3冠王など、挑むべき高い数字は数多いが「現実的な数字は全て狙いたい」とも断言した。夢の舞台への序章として、全てやりかねない充実感が、今の村上からは漂う。(青森 正宣)

 ▽ヤクルト勢のポスティングシステムによるメジャー移籍 02年1月、FA権取得まであと1年に迫った石井一が、球団で初めて申請しドジャースに移籍。06年11月には岩村がFA権取得まで2年を残し、デビルレイズ(現レイズ)に移籍した。その後は申請のない時期が続いたが、青木がFA権取得まで2年あった11年12月にブルワーズへ移籍した。

 ▽大リーグの海外選手獲得規定 16年の労使協定合意以降、海外選手獲得に伴う各球団の総契約金が1シーズン最大575万ドル(約8億500万円)までに規定された。25歳未満か、プロ6年未満の選手に適用され、マイナー契約しか結べない。23歳でエンゼルスに移籍した大谷は当初マイナー契約となり、契約金は231万5000ドル(当時約2億6200万円)。市場価値は2億ドル(当時約226億円)以上とされていただけに破格の安さとなった。

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2022年11月15日のニュース