阪神・秋山 来季へ焦りなし「開幕ローテだけ見据えてやっている」 古傷の右膝万全に、年内ブルペンは封印

[ 2022年11月15日 05:15 ]

阪神・秋山
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 逆襲に燃える阪神・秋山が来季への決意を本紙に激白した。

 「今はしっかり膝を万全にして、来年の開幕ローテに入ることだけを見据えてやっている。来春のキャンプが1軍か2軍かとかは特に気にしてません」

 安芸で若手が連日のブルペン入りで猛アピールを続ける中、プロ13年目を終えた右腕は静かに鳴尾浜球場で牙をといでいた。3年連続の2桁勝利を目指した今季は開幕1軍入りしながら、わずか5試合で1勝どまり。5月11日の広島戦(甲子園)を最後に1軍での登板はなかった。

 原因は“うずいた”古傷。18年に手術した右膝に痛みが走ったのは春季キャンプ中の2月だ。ペースダウンを余儀なくされ、走り込みの量が不足。シーズン中にしわ寄せが来た。5月の2軍降格後は1カ月のミニキャンプを敢行するなど、再昇格へ試行錯誤。チームがクライマックスシリーズ進出を決めた後も「最後まで投げられる準備はしていた」と心身でスタンバイしていた。若手の台頭もあってチャンスは巡ってこず、「2軍でいい投球をしても、なかなか出番がなかったので1年間悔しかった」と本音を吐露した。

 1軍でチャンスがなかった間、ファームでは先発ローテーションを守り、終わってみれば9勝を挙げて、ウエスタン・リーグでは通算4度目の最多勝。2軍通算61勝は記録の残る91年以降では楽天・川井貴志の60勝を抜いて歴代トップに立った。高卒13年目。2軍で雌伏の時を経て、1軍でも3度の2桁勝利を挙げている右腕の小さな“勲章”とも言えるが、もう2軍での白星は一つもいらない。

 現在は右膝の治療と並行してキャッチボールなどで調整。年内はブルペン投球を封印し、じっくりと完全体を取り戻す。「焦りはない。年明けにブルペンに入っていけたら」。何度もはい上がって来た背番号21は、苦境を力にできる。(遠藤 礼)

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2022年11月15日のニュース