阪神・井上 巨人・岡本の道歩む!高卒4年目にブレークした“師匠”と今冬も自主トレ、来季の覚醒必ず

[ 2022年11月15日 05:15 ]

阪神・井上
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 阪神・井上広大外野手(21)が14日、秋季キャンプ地の高知県内の宿舎で現状維持の年俸720万円で契約を更改し、右の強打者に飛躍が多い「高卒4年目」の来季へ決意を新たにした。3年目の今季は2試合で5打数無安打。2年続けて合同自主トレを予定する巨人・岡本和は史上最年少で打率3割、30本塁打、100打点を達成した「4年目ブレーク」の好例で、先輩の背中を道しるべに大覚醒を期した。

 井上は誰よりも背負う期待の大きさを知るからこそ、ふがいなさ、情けなさが言葉の端々からにじみ出た。

 「悔しいシーズンになった。ファームの成績もそうですし、1軍に上がったときも結果が出ていない」

 8月14日の中日戦で2年ぶりに1軍昇格。2試合で5打席をもらいながら快音は響かなかった。高卒3年目を終え、通算16打数1安打。アーチはない。つぼみはまだ開かない。

 「他の選手が(1軍に)上がっていくときに自分が呼ばれるようにならないと。一番に呼ばれるような成績を残せる打者にならないといけない」

 不退転の決意で臨む23年に向けた今冬の自主トレは昨冬に続いて巨人・岡本和に師事する。「自分が思っていることであったり、和真さんが見てどう思っているのか…を合わせていきながら、レベルアップしていければ」。今季まで5年連続30本塁打を放った同じ右打ちの師匠から学ぶべきことは数え切れない。

 ただ、その岡本和も今の井上と同じ高卒3年目を終えた時点ではわずか1本塁打だった。それもルーキーイヤーに放ったもので、その後の2年間は出番すら少なかった。それが18年にいきなり33本塁打。井上も「(ブレークは)早いに越したことはない」と言い切り、先輩の足跡をそのままたどるつもりでいる。

 現在、球界に君臨する右打ちのスラッガーは「高卒4年目の開花」が目立つ。おかわり君こと西武・中村は22本塁打ときっかけをつかみ、今季ついに450号に到達。巨人・坂本も31本塁打し、持ち前の長打力が目覚めた。ヤクルト・山田は日本人右打者シーズン最多記録となる193安打を放ち翌15年には初のトリプル3を達成。記憶に新しい16年は当時広島の鈴木誠也(現カブス)が29本塁打。随所に「神ってる」打棒を見せ、25年ぶりのリーグ制覇に導いている。井上も偉大な系譜を継ぎたい。

 「和真さんはいつも“突っ切る”ことをしっかりやっていけ、と言ってくれる。いい結果を出せるように」

 “恩返し”は、すなわち猛虎のG倒を意味する。「右の大砲候補」という立場を卒業するシーズンへ、一秒たりとも無駄にしない。(八木 勇磨)

 《高卒4年目で開花した右の強打者》
 ▽中村剛也(西) 2年目の03年にイースタン・リーグで22本を放ち本塁打王。04年に1軍でプロ初本塁打を含む2本を放つと、4年目の05年に22本塁打。08年に46本で初の本塁打王に輝き、現在までに6度獲得。

 ▽山田哲人(ヤ) 3年目までは通算4本塁打。4年目の14年に打撃が開花し、全試合出場で29本塁打、193安打で最多安打とブレーク。15年は38本塁打でタイトルを獲得しトリプルスリーも達成。

 ▽岡本和真(巨) 3年目までは新人だった15年の1本塁打のみ。4年目の18年に全試合出場で33本塁打を放ち「打率3割、30本、100打点」も達成。同年から5年連続30本塁打で、20、21年は本塁打王。

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