ノーシードの掛川西が静岡の3連覇阻止 9回に殊勲逆転二塁打の山本「こんなところで負けてたまるか」

[ 2022年7月24日 19:37 ]

第104回全国高校野球選手権静岡大会準々決勝   掛川西3―1静岡 ( 2022年7月24日    草薙 )

<掛川西・静岡>9回2死満塁で右越えに走者一掃の決勝二塁打を放つ掛川西の5番・山本
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 人気実力校対決はノーシードの掛川西が第2シード静岡高の3連覇を阻止し、2年連続のベスト4進出を決めた。1点を追う9回に5番・山本柊太一塁手兼投手(3年)が、右越えに決勝の走者一掃逆転二塁打。昨秋県準々決勝で逆転負けを喫した選抜出場校、第5シード日大三島への挑戦権を得た。

 学童・黒潮東野球SS時代からバッテリーを組む、相棒で主将・河原崎琉衣捕手(3年)のサインを信じて腕を振った。9回2死から3球勝負。山本は高めのスライダーで静岡高の4番・吉田優飛(3年)を空振り三振斬りすると、三塁側の大応援団を背に高々とジャンプして歓喜した。

 「試合後はホッとして涙が出た。うれしいしかなかったです」

 勝負は下駄を履くまで分からない。バットでも体現し、相手の3連覇を止めた。1点を失った直後の9回。崖っぷちの2死から2番・今駒翔太左翼手が左前打、狩俣藍生中堅手と羽切佑太朗二塁手が四球で歩いて塁が埋まった。3年生の仲間がつないでくれたチャンス。外角直球に対し迷わずバット出して押し込んだ。打球は右翼頭上を越える走者一掃の決勝二塁打となった。

 「羽切を見たら胸を叩いて鼓舞していた。こんなところで負けてたまるか。“チームのために打ってやろう”と思いました」

 東海大静岡翔洋との4回戦までは15打数2安打と不調だった。その後、大石卓哉監督(42)から「軸足がフラフラしている」と指摘され、足上げ打法をすり足に矯正した。「ボールを長く見られるようになったことでバットが素直に出たと思います」とこの日3安打。「不調だし打てなくてもともと。割り切って気持ちだけでした」と胸を張った。

 8年ぶりの決勝進出をかけ戦うのは日大三島。昨秋県準々決勝で9回2死から逆転サヨナラ負けし、聖地への後押しをしてしまった相手だ。当時エースだった山本にとって「あと1球のところで自分のせいで負けた」屈辱は忘れない。リベンジし、24年ぶりの聖地へ王手をかける。(小澤 秀人)

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2022年7月24日のニュース