楽天 本拠コボスタ宮城“水没” 記録的豪雨に排水追いつかず

[ 2015年9月12日 05:30 ]

ライトポール周辺の外野フェンス沿いに巨大な水たまり

パ・リーグ 楽天-ソフトバンク(大雨の影響)

(9月11日 コボスタ宮城)
 宮城県内で前夜から降り続いた大雨の影響で、コボスタ宮城で予定されていた楽天―ソフトバンク戦が中止となった。振り替え試合は未定。

 午後1時。大雨特別警報が発令される中、中止が発表された。グラウンドのコンディション不良に加え、JRなど公共交通機関は運転見合わせが続出。球団は観客の安全を考慮し、試合開始5時間前に中止を決断。大久保監督も「電車も止まっているし、学校が休みになったとも聞く。仕方ない」と受け止めた。

 記録的な豪雨は球場にも被害を及ぼした。排水機能が追い付かず外野は水没し、一塁側ブルペンや球場正面入り口、客席の一部なども浸水。球団職員ら約150人が早朝から必死に復旧作業を行った。また、大雨の影響で大型ビジョンなども不具合が発生。球団関係者は「これまで数度、雨による浸水はあったが、被害としては一番大きい」と驚きを隠せなかった。

 県内では大崎市や富谷町などで川の氾濫により、住宅地が冠水。仙台市でも一時、40万人以上に避難勧告が発令された。選手会長の藤田は今後の被災地支援について「選手会と話し合って、できるだけ支援していきたい」と話した。12日の同戦は開催予定で、指揮官は「こんな時こそ、俺たちがいいプレーを見せて、試合の3時間は嫌なことを忘れてほしい」と語気を強めた。 (徳原 麗奈)

 ≪主な災害での中止≫

 ★00年9月12日中日―広島戦(ナゴヤドーム) 東海豪雨の影響で浸水し、マウンドを残しグラウンドが水没。ドーム球場史上初の「グラウンドコンディション不良」による中止に星野監督は「恥ずかしいわ。情けないよ」と話した。

 ★01年3月31日ロッテ―オリックス戦(千葉マリン) 降雪のため中止に。雪による中止はパ・リーグでは88年4月8日の西武―南海(西武)の開幕戦以来13年ぶりだった。

 ★08年6月14日楽天―巨人戦(Kスタ宮城) 日本プロ野球史上初の地震による中止。14日午前に「岩手・宮城内陸地震」が発生し、安全面を考慮して中止を決定。野村監督は「余震も心配だし、死者が出たのでは仕方ない」。

 ★15年7月20日ソフトバンク―ロッテ戦(北九州) 強い雨の影響で砂をまいてもグラウンド状況が改善されず、選手から抗議が殺到。開始時間を30分遅らせたが、再協議し中止に。工藤監督は「選手のケガが一番怖い」と話した。

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